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2022.05.09 07:00

「組合つぶし」に動くアマゾン、NYの労組関係者を解雇

Getty Images

アマゾンは5月5日、ニューヨーク市スタテン島にある物流拠点「JFK8」の6人以上のシニアマネージャーを解雇したと、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が6日に報じた。この物流拠点では、3月末に労組の結成の是非を問う投票が行われれ、米国内の同社施設としては初の労組「アマゾン労働組合(ALU)」の結成が決まっていた。

NYTの取材に応じた匿名の現・元従業員4人は、今回の解雇が、アマゾンの標準的な評価プロセスによるものではなく、組合の結成に対する報復措置だと考えていると語っている。

アマゾンは、マネージャーらに対し、今回の解雇が「組織変更」によるものだと告げたとNYTは伝えている。

アマゾンの広報担当のケリー・ナンテル(Kelly Nantel)はフォーブスの取材に、同施設の「運営とリーダーシップ」を評価した結果、マネージャーたちの交代を決定したと述べ、「社員がチームのために最善を尽くしているかどうかを、時間をかけて検証することが重要だ」と考えていると付け加えた。

ALUからのコメントは得られていない。

スタテン島にあるアマゾン最大の倉庫のJFK8では、ALUによる労組結成に向けた投票が行われ、2654対2131票で大勝したことが報じられていた。労働者らは、安全条件の改善や賃金の引き上げ、休憩時間の拡大などの要求を掲げていた。

アマゾンは以前から労組の結成に反発しており、この投票の直後に独立行政機関の全米労働関係委員会(NLRB)に異議を申し立て、労組が従業員に賛成票を強制したと主張し、やり直しを要求していた。

5月2日には、JFK8の向かいにある別の倉庫の「LDJ5」で労組結成に向けた投票が行われたが、反対票が賛成票を上回り、結成は見送られた。一部の報道で、アマゾンは労組の結成を阻止するためのコンサルタントを倉庫に送り込んでいたとされている。NYTによると、アマゾンが5日に解雇したシニアマネージャーのうちの何人かは、同社のベテラン従業員だったという。

3月には、アラバマ州ベッセマーにあるアマゾンの倉庫でも、労組結成に向けた投票が実施されたが、正式な結果はまだアナウンスされていない。この投票は、最初の集計で53%が反対票とされたが、争点となる数百票の認定をめぐり、アマゾンと労組の両方が異議を申し立てている。

編集=上田裕資

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