調査では、バーチャルに働く従業員が仕事に打ち込めるよう会社が全力で支援していないと答える役員もいた。
回答者の半分近く(46%)は、オフィスで働く従業員と同じくらい仕事に打ち込めるような支援ツールを会社が提供していないと答えた。また、自分の会社で従業員のエンゲージメントを向上させる最も大きな責任があるのはCレベル(経営トップ層)だと答えた役員は半分近く(49%)で、人事は28%、部署長は10%だった。
会社が求めるオンラインでのエンゲージメント水準を満たせない従業員を解雇する前に、企業は全ての遠隔勤務者がズームやその他バーチャルな場で全力で仕事に打ち込む必要性やその理由を確実に理解・認識しているようにすべきだ。
企業の期待値を満たせないことがどのような結果を生むかを全労働者が理解していると思い込まず、こうした期待値を定期的に伝えること。
遠隔勤務者には別の課題も
仮想環境で働く労働者が直面する課題は、雇用主が満足できる水準でエンゲージメントを発揮できないことだけではない。
自動車情報を提供するウェブサイト「カーバーティカル(carVertical)」で人事部長を務めるギエドレ・コヤリエネは、遠隔勤務に関連するその他の問題の防止や対処のため、彼女の会社では次のような方針を採用していると述べた。
面接
疲労や生産性喪失のサインを見極めるため、1対1の面接を行う。
無期限休暇
無期限休暇の方針があれば、従業員は疲れたと感じたときに健康回復のため休みを取得できる。
イベント
直接あるいは遠隔で毎月、心の健康や個人の家計管理に関する講義など従業員向けイベントを開催している。コヤリエネは「こうしたイベントの目的は、従業員が少なくとも1時間は毎日の業務から離れ、同僚と質の高い時間を過ごせるようにすることだ」と述べた。
コミュニケーション
「私たちはいわゆるオープンマイクのイベントを(月に1度)行っていて、従業員は取り組んでいるプロジェクトの進捗や最近の達成事項・失敗、あるいは単に専門知識を同僚らと共有できる。開催場所はオンラインのことが多い。
「オープンマイクイベントでは誰もがすぐに何でも質問でき、こうして社内で即座につながりが構築されるため、このイベントはニュースレターやその他のコミュニケーションと比べてはるかに有益だ」(コヤリエネ)
メンター
コヤリエネは次のように指摘している。
「遠隔勤務ではメンターの役割が非常に重要だ。当社には標準化されたメンタープログラムは存在しないが、上級レベルと若手レベルの従業員の間には自然な関係があり、これを通じて新たに優秀な社員が育成されている。こうした従業員はメンターに注意して見てもらうことができ、より難しい作業にもっと貢献できる。一方上級レベルの人は、自分の知識を共有する機会が持てる」