欧州では、医療用大麻の使用が進み、カンナビジオール(CBD)製品の製造販売が許可されている。米国における州レベルでの成人用大麻合法化が拡大するなかで、欧州の人々が「娯楽用大麻の合法化」に向ける視線も変化しているのだ。
ロンドンに拠点を置くコンサルタント企業ハンウェイ(Hanway)のリポートによると、ヨーロッパ人の55%が娯楽用大麻の合法化を支持し、30%近くが試してみたいと考えているという。
2022年4月に発表されたこのリポートは、欧州における娯楽用大麻の現状を概観し、娯楽用大麻の合法化に対する欧州の人々の見解を明らかにする内容だ。キュラリーフ・インターナショナル、カンサティバ・グループ(Cansativa Group)、国際商事法律事務所インス(Ince)と共同で作成された。
リポートでは、ロンドンに拠点を置く市場調査コンサルタント企業サバンタ・コムレス(Savanta ComRes)が、2022年2月24日から3月14日にかけて、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ポルトガル、スイス、イギリスの欧州8市場で、18歳以上の成人9043人からなる全国代表サンプルに聞き取り調査を実施した。
その結果、欧州で最も合法化を支持しているのはイタリア(60%)、次いでポルトガル(59%)、スイス(58%)となった。一方で、最も合法化に反対している欧州の国は、ドイツとオランダ(29%)、次いでフランスと英国(27%)だった。
「娯楽用大麻の合法化を支持する」とした回答者の大多数は、規制に従った店舗での大麻購入を希望している(81%)。その一方、62%が自家栽培を支持。また、欧州内の大麻合法化には、社交クラブモデル(会員向けの栽培および供給)の採用が望ましいと回答した人も56%にのぼった。
「合法化のメリットは何か」との問いに対しては、過半数のヨーロッパ人が、「合法化によって、大麻が違法市場から切り離されること」と答えている(51%)。そのほか、より有害な薬物の使用を減らすことができる、警察が重大犯罪により集中できる、製品の安全性が高まる、税収が得られる、大麻の効き目(THCの含有量)を規制できる、といった回答が寄せられた。