経済・社会

2022.05.07 08:00

欧州で「娯楽用大麻の合法化」支持が半数を超える

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しかし同時に、娯楽用大麻を合法化する最大のリスクとデメリットの一つとして回答者が主に懸念するのは、大麻使用下での運転が増えることだ(42%)。そのほか、合法化によって、成人と若者による使用が増えることを懸念する声も上がっている。

欧州諸国は、カナダや米国の市場に比べて互いに共通点は多いものの、政治や歴史、文化の面で一様とは言いがたい。そうした違いは、大麻の分野でも顕著にみられる。

5億人を超す人口を抱える欧州では、娯楽用大麻市場の潜在的な規模は巨大だ。

しかし、欧州の娯楽用大麻に関する規制が統一性に欠けることは、産業を大きく発展させるための障害となりうる。

今回のリポートでは、現在、欧州で娯楽用大麻の合法化に取り組む諸国に注目し、欧州のホットスポットとして、スイス、オランダ、ドイツ、ルクセンブルクの4カ国における現状を調査している。

まずスイスは、娯楽用大麻を販売する試験プロジェクトを開始しようとしている。

オランダは、1970年代から、コーヒーショップでの娯楽用大麻製品の販売および消費に対して寛容な政策を実施してきたにもかかわらず、大麻合法化の試験開始は遅れているのが現状だ。

ルクセンブルクは2021年末、個人使用の目的に限り、大麻の栽培と消費を合法化すると発表した。

ドイツでは、新たに誕生した「信号機」連立政権(社会民主党:赤、緑の党:緑、自由民主党:黄、の連立)が、2021年の連立合意で娯楽用大麻を合法化すると発表したが、まだ法案の作成には至っていない。

それ以外の国では、スペインやポルトガルなどが、大麻の個人使用を非犯罪化したが、娯楽目的の大麻使用はまだ合法化されていない。

今のところ、大麻の分野において事実上の転換点に到達した欧州の国はマルタだけだ。地中海中部にあるこの島国は、社交クラブと自家栽培という非営利モデルを通じて、欧州連合(EU)の加盟国として初めて、個人使用の大麻を2021年に合法化した。

翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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