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2022.05.06 07:00

セコイアから1850万ドル調達のAI予測のスタートアップKumo

Getty Images

現代の企業は、消費者行動やマーケティングキャンペーン、不正検知などの情報を繋げた複雑なデータネットワークを構築している。しかし、それらのデータを使ってAI(人工知能)予測を行う場合、網目状に張り巡らされたデータを解きほぐさなければならないことが多い。この問題を解決するため、スタンフォード大学発のスタートアップが、新たなAIを使ったソリューションを開発した。

Kumoは4月7日、シリーズAラウンドで1850万ドル(約23億円)を調達したことを公表した。評価額は1億ドルだった。同社は、大量のデータを保存・活用するためのクラウドコンピューティングツール群「モダンデータスタック」向けのAI予測で最適なソフトウェアになることを目指している。

このラウンドはセコイア・キャピタルが主導し、他にRon ConwayのSVエンジェルと、彼の息子であるRonny Conwayが運営するVCファンド、Aキャピタルが参加した。

カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くKumoは、ピンタレストとエアビーアンドビーでCTOを務めたVanja Josifovskiと、元リンクトインのエンジニアのHema Raghavan、スタンフォード大学教授のJure Leskovecらが設立した企業だ。同社の事業は、Leskovec率いるスタンフォード大学のチームがドイツのドルトムント大学と5年に渡って行った共同研究がベースになっている。

その研究内容は、「グラフ・ニューラル・ネットワーク」と呼ばれる、データを複雑なグラフ・ネットワークに見立てて機械学習を行う新興技術に特化したものだ。彼らはこのネットワークの学習のためのオープンソースツール「PyG」を開発し、5年前にリリースした。

Kumoの創業者メンバーらは、ピンタレストやリンクトインでこの技術を導入した。同社のCEOのJosifovskiは、ディープラーニングが音声認識に革命をもたらしたように、グラフ・ニューラル・ネットワークは、機械学習に革命をもたらすと述べている。

大手テック企業は、こうしたツールを社内で開発することができるが、ほとんどの企業はそのようなリソースを保有していない。しかし、PyGの技術を基盤としたKumoのソフトウェアを使えば、ユーザーはビジネスデータを使った複雑な予測モデルをより簡単に作ることができる。

「サービスの利用開始から30日で解約した顧客の数は把握できるが、Kumoは今後30日で解約する顧客数を予測することを目指している」とJosifovskiは話す。Kumoのソフトウェアは、主にデータアナリストやデータサイエンティスト向けに設計されているが、専門知識を持たない従業員でも使えるという。
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編集=上田裕資

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