この企画は同ホテルのオンラインブティック「センス・オブ・レイク」の延長で、イタリアの伝統工芸をアピールすることが目的。参加する宿泊客は、ブティックに含まれるアクセサリーや家庭用品などの作り手と会い、その技能に触れられる。
例えば、老舗スカーフメーカー「マンテロ(Mantero)」の絹工場を訪問して自分だけのシルクスカーフを作ったり、旅行かばん類を製作するブリックス(BRICS)のカリスマ的オーナーに会って事業のインスピレーションについて学んだりできる。
デ・サンティスは筆者に対し、「私たちは旅の最初と最後にいつも、かばんに何を入れようかと考える。その答えは夢や物語、記憶だ。美しい品には魔力があり、感情の記憶をとどめることができるため、センス・オブ・レイクは、グランド・ホテル・トレメッツォに到着する前から始まり自宅に帰っても続く、終わりのない旅となる」と語った。
利用者は、車で職人の元に案内され、数時間滞在。場合によっては特注品の製作に関われる。ガイドの同行も可能で、VIPの利用客にはバレンティーナ本人が付き添うこともある。ブリックスやマンテロ以外の訪問先としては、有名なスカートブランドのレ・ゴンネ・ルフィアーネ(Le Gonne Ruffiane)もある。
予約はコンシェルジュを通じて、あるいはセンス・オブ・レイクのインスタグラムへのメッセージを通して行う。料金は2人1組で1200ユーロ(約16万円)からで、それに移動費が加算される。
グランド・ホテル・トレメッツォは今年6月、姉妹ホテルのパッサラクア(Passalacqua)をオープンする。過去にナポレオン・ボナパルトやビンチェンツォ・ベッリーニ、ウィンストン・チャーチルなどの客を迎えた歴史ある私邸を24室のホテルに改装したもので、ベッリーニが1831年にオペラ「夢遊病の女」を作曲したコモ湖最大のスイートも含まれている。