同サービスは、組み立てが完成し機能している中古のイケア家具のみを対象としている。受け入れ可能な製品には、オフィスの引き出し付きキャビネットや本のケース、小さなテーブル、ダイニングテーブル、デスク、椅子、クッション材がないスツールなどが含まれ、ベッドやソファ、マットレス、家庭のインテリア製品、革製品、照明器具は引き取られない。
同社は、生産中止になった商品や展示品として使われていた商品を集める店内の「アズイズ(As Is)」の区域で回収された中古製品を販売する。
中古家具を販売した人は、イケアの店舗クレジットを与えられる。プログラムが既に導入されている英国とアイルランドでは、中古品を販売した人は当初の価格の30~50%を受け取ることになっている。
このプログラムは、排出される二酸化炭素の量を2030年までに実質マイナスにすることを目指す同社の目標とも合致するものだ。
小売業界に関するオンラインフォーラム「RetailWire」の専門家委員会ブレーントラストは先日、オンラインで意見交換を行った。
経営コンサルティング企業A.T.カーニーのKearney Consumer Instituteでリードを務めるケイティ・トマスは「イケアは、大企業にしてはサステナビリティを最前線で率いてきたことが多い」と述べ、「これは、購入者と販売者の両方が家具を無理なく買えるようにすることや、各自が自身のサステナビリティの目標を達成できるようにすることなど、消費者の複数のニーズを解決するものだ」と続けた。
ブレーントラストの中には、この取り組み最重要点はサステナビリティではないと考える人もいる。
コンサルティング企業Protonikのダグ・ガーネット社長は「これがイケアの財務状況に良くも悪くも影響を与えるとは思えないが、それがこの取り組みの目的ではない。私は、この取り組みの環境面の影響よりも、資金があまりない人のための二次市場の形成に興味がある」と述べた。
マーケティング企業MKT Marketing Servicesのルシル・デハートは「マージンの管理や、再販売セクションのための実店舗スペースも問題になるだろう。試験を実施したイケアが今回同プログラムを導入していることは、事業をうまく拡張できることを意味しているだろう。そのため今後を楽しみにしている」と述べた。