この動きは、ヨーロッパの金融中心地の不動産に対するアジアの投資家の意欲の高まりを示している。
ブリティッシュランドの声明によると、この物件は、キングダム・ストリートとシェルドン・スクエアにあるオフィスビル4棟と開発用地で構成されており、買収手続きは3カ月以内に完了する予定という。両社は、GICが75%、ブリティッシュランドが25%を所有する新たな合弁会社を設立し、この物件を保有する。
シンガポールに本社を置くGICの不動産部門の最高責任者のLee Kok Sunは、「我々は、小売店やレジャー施設を備えた高品質のオフィス主体の複合キャンパスであるパディントンセントラルに投資できることを嬉しく思う」と述べた。
パディントンセントラルは、鉄道へのアクセスが良く、ヒースロー空港やロンドン西部、オックスフォードへの交通の要所に立地している。「この資産は、長期にわたるリターンを生み出すと確信している」と、Kok Sunは続けた。
GICとブリティッシュランドは、かつて、ロンドンのブロードゲートにある13階建てのオフィスビルを等しく所有していたが、このビルは2018年に香港のビリオネアの李嘉誠のCKアセットに10億ポンドで売却されていた。CKアセットは先月、UBSのロンドン本社として機能している同物件を韓国の国民年金公団に12億ポンドで売却した。
シンガポールの投資家は、ここ最近、ロンドンの一等地のオフィス物件を相次いで買収している。2月には、ビリオネアのChua Thian Pohが経営するホー・ビー・ランド社が、ロンドンの金融街にあるThe Scalpelオフィスタワーを7億1800万ポンドで購入することで合意した。
GICの欧州不動産部門の責任者のTracy Strohは、「質の高い一等地にある新しいオフィススペースへの需要が戻ってきている」と述べている。