ロクシンによれば、トレースの2021年売上は1000万ドルを突破し、2022年はさらに売上が3倍に増加する見込みだ。
デビッド・ロクシンが、父親のアナトールとともに、同社を立ち上げたのは2010年のこと。デビッドにとってはサイドプロジェクトだったトレース(当時の社名はAlpineReplay)が、これほど急速に成長するとは二人は予想していなかった。当時のデビッドはバークレイズ・キャピタルに外為オプショントレーダーとして勤めていた。アナトールは、マゼラン・ナビゲーションの最高技術責任者を退職したばかりだった(マゼランは、1989年に世界初の商用GPSレシーバーを実用化した企業だ)。
AlpineReplayは当初、アクションスポーツにターゲットを絞っていた。同社は2014年、キックスターターを通じたクラウドファンディングキャンペーンで16万ドルを調達し、独自のトレース・デバイスを開発した。ロクシン父子は同デバイスを、サーファー、スキーヤー、スノーボーダーなどのアクションスポーツ愛好家に売り込んだ。
トレースは2018年以降、ユーススポーツチームに特化している。数百万人の潜在顧客を有する一大マーケットであり、親たちはわが子がプレーするシーンの撮影が大好きだ。トレースは、プロやセミプロ、大学のチームにはサブスクリプション販売をおこなっていない。
ロクシンは、トレースは当面のあいだユーススポーツ事業に主軸を置くとしているが、一方で、同社のカメラを、テーマパークなど、親たちが子どもの動画を何時間ぶんも撮りためる他の場所に導入するというアイデアも温めている。