あたたかい食事を24時間提供するスマート自販機
ヨーカイ エクスプレスはリン氏が2016年に米国で立ち上げたフードテックベンチャーだ。独自開発のスマート自販機によるサービスは2019年にローンチ。麺類や丼ものメニューを中心に米国で好評を得ている。米国では企業のオフィス、空港やホテル、病院に大学、ショッピングモールなど約50カ所に設置し、20万食以上を提供してきた。
Yo-Kai Expressのスマート自動販売機が日本に本格進出を開始
同社にとって日本は初めての海外展開になる。2021年に都内体験型ストアで試験展示を行ったが、実際にラーメンを提供するサービスは今年の3月28日から本格始動。まずは羽田空港第2ターミナル、首都高速芝浦パーキングエリアに1台の販売機を常設するほか、JR東日本 東京駅地下のイベントスペース「スクエア ゼロ」にも期間限定で出店した。
提供されるラーメンは、「Yo-Kaiオリジナルフレーバー」として4種類(ゆず塩/しょうゆ/みそ/とんこつ)が揃う。税込価格は790円。今後人気ラーメン店の一風堂が開発した2種類の新メニューが追加を予定している。
湯気の立つ“出来たて”のラーメンを提供
目新しさだけでなく「味勝負」
ヨーカイ エクスプレスのスマート自動販売機は、最速90秒という短時間で調理したての“熱いラーメン”を提供できるところが大きな特長だ。リン氏は「当社自販機のライバルは店舗で提供される本格ラーメン。スマート自販機により提供される目新しさだけでなく、味で真っ向勝負したい」と胸を張る。
ヨーカイ エクスプレス ファウンダー兼CEOのアンディ・リン氏
スマート自販機は冷凍された食品を50食前後まで装填できるキャパシティがある。機械は常時インターネットを経由してクラウドプラットフォームにつながり、管理者はデータベース化された「売れ行き」を見ながら在庫を調整したり、天候に合わせて調理温度を変えたり、販売機が運転時に消費する電力を賢くセーブすることもできるという。