ビジネス

2022.04.19

シリコンバレー発、「出来たてラーメン」のスマート自販機が東京上陸

芝浦パーキングエリアに常設されているヨーカイ エクスプレスの自販機

シリコンバレーのフードテックベンチャー「Yo-Kai Express(ヨーカイ エクスプレス)」が、最速90秒で出来たての本格ラーメンを調理提供する独自開発のスマート自動販売機を引っさげて日本に本格進出する。創業者兼CEOのアンディ・リン氏に同社サービスの特徴と展望を聞いた。

あたたかい食事を24時間提供するスマート自販機


ヨーカイ エクスプレスはリン氏が2016年に米国で立ち上げたフードテックベンチャーだ。独自開発のスマート自販機によるサービスは2019年にローンチ。麺類や丼ものメニューを中心に米国で好評を得ている。米国では企業のオフィス、空港やホテル、病院に大学、ショッピングモールなど約50カ所に設置し、20万食以上を提供してきた。


Yo-Kai Expressのスマート自動販売機が日本に本格進出を開始

同社にとって日本は初めての海外展開になる。2021年に都内体験型ストアで試験展示を行ったが、実際にラーメンを提供するサービスは今年の3月28日から本格始動。まずは羽田空港第2ターミナル、首都高速芝浦パーキングエリアに1台の販売機を常設するほか、JR東日本 東京駅地下のイベントスペース「スクエア ゼロ」にも期間限定で出店した。

提供されるラーメンは、「Yo-Kaiオリジナルフレーバー」として4種類(ゆず塩/しょうゆ/みそ/とんこつ)が揃う。税込価格は790円。今後人気ラーメン店の一風堂が開発した2種類の新メニューが追加を予定している。

null
湯気の立つ“出来たて”のラーメンを提供

目新しさだけでなく「味勝負」


ヨーカイ エクスプレスのスマート自動販売機は、最速90秒という短時間で調理したての“熱いラーメン”を提供できるところが大きな特長だ。リン氏は「当社自販機のライバルは店舗で提供される本格ラーメン。スマート自販機により提供される目新しさだけでなく、味で真っ向勝負したい」と胸を張る。

null
ヨーカイ エクスプレス ファウンダー兼CEOのアンディ・リン氏

スマート自販機は冷凍された食品を50食前後まで装填できるキャパシティがある。機械は常時インターネットを経由してクラウドプラットフォームにつながり、管理者はデータベース化された「売れ行き」を見ながら在庫を調整したり、天候に合わせて調理温度を変えたり、販売機が運転時に消費する電力を賢くセーブすることもできるという。
次ページ > 今後は欧州、台湾、韓国などにも広げたい

文・写真=山本 敦

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事