国内外で活躍する日本のカリスマ左官たち 左官の日 | 4月9日

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4月9日は、建物の壁や床、塀などを、コテを使って塗り仕上げる仕事である「左官」の日。「し(4)っく(9)い(漆喰)」という語呂合わせが由来となっています。

「左官」の語源には諸説ありますが、奈良時代、宮中の建築工事に関わる組織(木工寮)には職種によって階位があり、その1つである属(そうかん)が訛って「さかん」と呼ばれるようになったという説が有力と考えられています。

そもそも壁を塗る職人としての左官の起源は、縄文時代にまで遡るといわれています。湿度の高い日本では、「調湿機能」のある漆喰や土壁が重宝されてきました。しかし、建築市場の縮小や安価な壁紙の普及などにより、左官職人の数は減少。高度経済成長の全盛期(1975年ごろ)に約30万人だった左官職人の数は、現在では3万人を切るといわれています。

そんななか、国内外からオファーが殺到するカリスマ的人気の左官職人も存在します。

例えば、久住有生(くすみなおき)氏。3代続く左官職人の家に生まれ、天才左官と言われた父親に3歳から技を仕込まれた久住氏は、弱冠20歳にして職人の間で最難関と言われる京都御所の外壁修復に携わることに。伝統的な左官技術と、独自の素材や新たな手法を組み合わせた彼の独自のスタイルは、海外でも人気を博しています。

また、挟土秀平(はさどしゅうへい)氏も著名な左官技能士の1人です。土蔵や茶室などの伝統建築や個人宅の他にも、羽田空港国際線JALファーストクラスラウンジや、ザ・ペニンシュラ東京などの内装も手がけ、NHK大河ドラマ「真田丸」の題字を作成したことでも話題になりました。

彼らの磨いてきた伝統的な左官技術とオリジナリティ溢れるアイデアは、建築の枠にとどまらず、芸術作品としても世界から注目を集め、左官の新たな可能性を切り拓いています。

連載:きょうは何の日?

執筆協力=tannely(タネリー)

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