経済・社会

2022.04.04 06:30

ゼロコロナ政策で月460億ドルを失う中国、成長率目標はどうなる?


習主席のすべての行動の裏に「続投」という野心がなければ、コロナ対策の軸足は、すでに変更されていたかもしれない。主席は“戴冠”を目前にして、「感染者急増」という見出しを見たくはないのだろう。

エコノミストたちはこうしたなかで、2022年に起こりうる“失敗”が一体いくつになるのか、数えることになっている。中国のロックダウンの影響に加え、米国債の利回りの急上昇が、世界の市場を不安に陥れる可能性もある。日本銀行もまた、長期金利の上昇を食い止めるため、市場に介入している。

ロシアのウクライナ侵攻も、もう一つの潜在的なリスクだ。習主席は“友人”であるロシアのウラジーミル・プーチン大統領と、彼が始めた根拠が証明されない戦争に対する世界中の怒りの間で、かなりの綱渡りを強いられている。

プーチン大統領が各国からの制裁を逃れることに習主席が手を貸すようなことがあれば、ジョー・バイデン米大統領とその同盟者たちは、世界第2位の経済大国である中国にも制裁を科すかもしれない。

これまで、“失敗”に終わることが多かったのは、中国が年間成長率を達成できないことに賭けることだった。だが、今年の5.5%という目標を達成させるためには、習主席はゼロコロナ政策の継続とそれが自国のGDPにもたらす悪影響のトレードオフについて、改めて計算してみる必要があるだろう。

編集=木内涼子

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