「新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)の間にみられてきたように、デジタルトランスフォーメーションは可能だし、デジタル技術の導入を加速することも可能だ」。フィリップスでコネクテッド・ケア部門を統括するロイ・ヤコブス上級副社長はそう断言する。
そのうえで「とくに人手不足やセキュリティー、求められている患者ケアの内容と実態とのズレなど、医療機関が多くの課題に直面している現在、顧客と協力してその業務や患者ケア全般にわたるニーズにどう応えていくかはかつてないほど重要になっている」との認識を示す。
フィリップスのビジョンは明快だ。
「外来医療や在宅医療が増えるなど、医療の場が病院以外にも広がっているのに合わせて、ヘルスケアITシーンも変化してきている。医療システムでは、さまざまなポイント・オブ・ケア(診療現場)や異なるシステムからのデータを接続することで、患者と医療提供者の体験や全体的な医療提供の仕方を向上させる方策が探られている。
クラウドベースの統合されたプラットフォームは、データをサイロ化から救い、正確で事前対応的で統合された医療提供を可能にするワークフローに役立つような、有意義な知見を引き出せるものとして認知されるようになってきている」
ヤコブスは「フィリップスは、安全なバックボーンを提供したり、各ポイント・オブ・ケアやその後の段階で患者が求めていることを明らかにしたりすることで、医療提供者が臨床面や業務面で自信をもった意思決定をエコシステムの一部としてできるようにし、これを通じて医療提供者の信頼されたパートナーになることをめざしている」と述べている。