スポティファイは、アーティストへの支払いをレコード会社やディストリビューターなどの権利者を介して行っている。同社によると、昨年は初めて1000人以上のアーティストが、100万ドル以上を稼いだという。
さらに、昨年はレコードレーベルに所属せず、自身で配信を行うアーティストの28%が1万ドル以上の収益をあげたという。スポティファイは2021年時点で、累計300億ドルのロイヤリティを支払ったと述べている。
昨年2月のInsiderの記事によると、スポティファイは1再生あたり0.0033ドルから0.0054ドルを、権利者を通じてアーティストに支払っているという。つまり、アーティストが1ドルを稼ぐために、約250回の再生が必要だということになる。
シンガーでプロデューサーのT-Painは12月のツイートで、スポティファイでアーティストが1ドルを稼ぐためには、315再生が必要だと述べていたが、情報源を明示しなかった。ウォールストリート・ジャーナルによると、アップル・ミュージックは2021年に、1ストリームあたり平均1セントの報酬を支払っていたという。
スポティファイは、再生回数をベースに報酬を支払うのではなく、プラットフォーム全体のシェアに基づいて支払いを行っている。同社は、再生回数に基づく支払いが合理的ではないと述べている。
スポティファイは支払額の低さを非難されているが、その理由として、個別のユーザーの再生回数が数が多いことや、広告付きの無料のサブスクリプションを提供していることを挙げている。
4億600万人の月間アクティブユーザーを擁するスポティファイは、より多くの報酬を得るべきだと考えるアーティストから、長い間批判を浴びてきた。
同社が米国でサービスを開始して3年後の2014年、テイラー・スウィフトは、支払い方法を理由に自分の楽曲を削除したが、その後は復帰し、現在も継続している。昨年は、ポール・マッカートニーやケイト・ブッシュ、スティングなどのミュージシャンが、英国のボリス・ジョンソン首相に宛てた手紙に署名し、支払い額の引き上げを含むストリーミング業界の改革を求めていた。
また、カニエ・ウェストも先月、最新アルバムの「Donda 2」が自身が立ち上げた携帯音楽プレーヤー、Stem Playerのプラットフォーム限定で配信していた。