ビジネス

2022.03.21 18:00

自動車は、まだまだこれから面白い。小川フミオが見いだすわくわくするような未来


11月しょっぱなに日本で公開されたのが、アストンマーティンのスーパー(x2)スポーツカー「ヴァルハラ」だ。こちらはコンセプトカーに見えるものの、まもなく販売される。


699kWと大出力のPHEVスポーツとして発表されたアストンマーティン「ヴァルハラ」

2019年3月にジュネーブ自動車ショーで発表された際、大胆なスタイリングとともに、F1のノウハウで設計されたボディに、大パワーエンジンという触れ込みに驚かされたものだ。

その後、AMG出身の新CEOがさらなるテコ入れを指示して入念な開発が行われることに。アストンマーティン車に共通するイメージのグリルをはじめ、空力的だが同時に審美性の高いボディに、あらたに4リッターV8ツインターボエンジンを使ったプラグインハイブリッドパワープラントを搭載した全輪駆動として現れた。

「すべてのディテールには機能的な意味があります」とは、チーフクリエイティブオフィサーのマレク・ライヒマンの言。最大999台の限定生産で、日本ではひとりで2台注文した人もいるとか。なるほど、投資としても価値があるかもしれない。

日産自動車は、レクサスROVコンセプトと同じ12月2日に「アリア・シングルシーター・コンセプト」を発表。12月初旬は、コンセプトカーの旬なのか。

アリアはご存知のかたも多いと思う。日産自動車が肝煎りで開発したピュアEV。メルセデス・ベンツやアウディが手がける高性能パワープラント搭載のEVに真正面からぶつかっていくモデルである。

「未来の電動車両が、パフォーマンスをより追求した場合、どのようなスタイリングになるかを考察したもの」とは日産のプレスリリースの文言だ。

「日産では、他がやらぬことをやるという精神があります」と、グローバルマーケティングブランドエンゲージメント担当副本部長のフアン・オヨスの言葉も紹介されている。フォーミュラEに参戦しているのは、より魅力的なEVの開発をサポートするため、とする同社のフラグシップ的なコンセプトモデルといえる。おそらく市販の予定はないだろう。

まだまだ、クルマは面白い。

Text by Fumio Ogawa

この記事は 「Forbes JAPAN No.090 2022年2月号(2021/12/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

ForbesBrandVoice

人気記事