経済・社会

2022.03.18 11:30

米国民の75%が「ロシアとの戦争リスク回避」を支持、世論調査

Alex Wong/Getty Images

バイデン大統領は3月16日、ウクライナへの軍事支援の強化を発表したが、米国の一部の議員やウクライナのゼレンスキー大統領は、より強力なサポートを求めている。そんな中、最新の世論調査結果で、大多数のアメリカ人が米国が慎重なアプローチで支援を行い、ロシアとの戦争を誘発するような手段を取らないことを望んでいることが示された。

米キニピアック大学(Quinnipiac University)が3月10日から14日にかけて、米国の成人1936人を対象に実施した調査で、75%の回答者が「米国は、米露間の直接的な戦争を誘発するリスクを冒さずに、ウクライナを支援するべきだ」と回答した。

一方、「たとえ戦争を引き起こすとしても、できることは何でもするべきだ」と回答したのは、17%だった。

過半数の回答者は、米国が戦争のリスクを冒さずに支援を行うべきだと回答したが、「戦争のリスクを望まない」と回答した人の割合は民主党支持者が82%で、共和党支持者が69%と、民主党支持者のほうが慎重なアプローチを支持している。

さらに、回答者の多くがバイデン大統領のウクライナ問題への対応を支持しておらず、49%が不支持で、42%が支持であることも示された。

米国が、戦争のリスクを冒してまでウクライナを支援することを支持する回答者の割合は17%に過ぎないが、32%は「NATOがウクライナ上空に飛行禁止区域を設定することを支持する」と回答した。ただし、NATOは飛行禁止区域の設定が戦争につながると述べている。

他のいくつかの世論調査でも、大多数の米国人が戦争につながるような形でのウクライナへの支援を望んでいないことが示されたが、一部の調査では、軍事介入への支持が若干高かった。バイデン大統領は、軍事介入が世界大戦を誘発することになると考えており、そうしないことを明確にしている。

米国はこれまで、主に経済制裁とウクライナへの武器提供を通じてロシアを罰してきた。バイデン大統領は16日、対空システムや戦術的無人航空機システム、銃器、弾薬、防護服などを含む、ウクライナへの8億ドル以上の軍事支援を発表した。

米国は戦闘機を提供できるか?


今後、注目されるのは米国がさらに踏み込んだ支援を行うかどうかだ。ゼレンスキー大統領は16日の米国の議会演説で、ウクライナの上空を閉鎖するか、さもなければ代替案としてウクライナに戦闘機とソビエト時代のS-300のような防空システムを提供するようバイデン大統領に求めた。「米国はそれらの装備を持っている。ただし、米国は我々の国民を守ってくれない」とゼレンスキー大統領は述べた。

共和党の議員たちは、バイデン大統領に対し、ウクライナに戦闘機などの兵器を提供するよう求めている。大統領は16日、米国がウクライナを支援するために「より多くのことをし続ける」と述べたが、ウクライナからの戦闘機の要望には触れず、「米国は戦場と交渉の場の双方で、ウクライナの人々を支援し続ける」と述べただけだった。

編集=上田裕資

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