配車大手の「ゴジェック」とインターネット通販大手の「トコペディア」の合併で生まれたGoToは、520億株の新株を1株あたり316~346ルピアで販売する。同社のバリュエーションは最大で288億ドルに達することになる。
GoToグループのCEOのアンドレ・スリスツヨは声明で、「インドネシア経済の発展が予想される中で、当社のビジネスは広い範囲をカバーしており、迅速で大きな成長が期待できる」と述べた。
GoToの上場は、世界の株式市場が急落し、地政学的な問題の影響で他の多くの企業のIPOが延期される中で実施されることになる。先月、ロシアがウクライナに侵攻した後に、ジャカルタ総合指数は2.4%上昇したが、同時期のMSCIアジア太平洋指数は10.2%下落した。また、中国での新型コロナウイルスの感染の再拡大で、ここ数日の株価は暴落している。
インドネシアで過去最大のIPOは昨年7月の上場で15億ドルを調達したEコマースの「ブカラパック」だったが、同社の株価はその後3分の2にまで下落した。
ジャカルタを拠点とするGoToは、2億7000万人という東南アジア最大の人口を抱えるインドネシアを中心にEコマースや配車サービス、金融サービスなどを展開している。同社は、昨年9月時点で、5500万人以上のユーザーを抱え、1400万件の加盟店や250万人のドライバーを擁していた。
GoToは、昨年9月30日までの1年間で15兆1000億ルピアの総収入を計上したが、黒字化を果たせていない。「同業他社と比較すると、当社の手数料の料率は小さいため、当社のイノベーションが市場に浸透すれば、収益性を高めるチャンスがある」とスリスツヨは述べている。
同社は昨年11月に、グーグルとテンセントが参加したIPO前の調達ラウンドで13億ドルを調達していた。GoToは、米国などの別の市場での上場も検討しているという。