2020年に設立されたMooveは、ナイジェリアに本拠を置く企業だが、欧州を含む海外市場への進出を目指している。
今回の調達は既存出資元のSpeedinvest、Left Lane Capital、thelatest.venturesが主導し、新たな投資家として三菱UFJイノベーション・パートナーズやAfricInvest、Latitude、Kreos Capitalらが加わった。
Mooveは昨年8月のシリーズAで2300万ドルを調達していた。
同社のCEOのラディ・デラノによると、アフリカ諸国では、多くの人が自動車を主要な移動手段としているが、自動車の所有率は欧米に比べてまだはるかに低いという。ギグ・エコノミーで働くドライバーは、ムーヴから借り受けた資金で自動車を購入し、配車サービスで得た収入を返済に充てている。
Mooveは現在、ヨーロッパやアジア、MENA(中東・北アフリカ)地域への進出を目指している。「アフリカ大陸では、自動車ローンを最も必要とする人々がそれを利用できないが、MENA地域やアジアの新興市場も同様な問題を抱えている」とデラノは述べている。
Mooveは今後6カ月の間に、アジアやMENA地域とヨーロッパに進出し、欧州では移民のドライバーを顧客ターゲットにするという。
「欧州のギグワーカーの多くは、移民一世であることが分かってきた。彼らは、自動車ローンを含むあらゆる資金へのアクセスに苦労しているという点で、アフリカでの当社の顧客と同じ問題を抱えている」とデラノは述べている。
ムーヴは、新たな資金を用いて今年中に追加の金融サービス製品を発売する予定で、EV(電気自動車)の購入や、女性ドライバー向けの融資サービスの立ち上げを計画している。
「当社は、モビリティの電動化を推進しており、MENA地域では、我々の車両の大半がEVになり、欧州では100%EVになると考えている」とデラノは述べた。彼はさらに、将来的に、Mooveの顧客に占める女性の割合を50%に引き上げていくと語った。