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2022.03.16 06:00

三菱UFJが出資するアフリカ発の自動車ローン会社「Moove」の挑戦

Getty Images

配車サービスで働くドライバー向けに自動車ローンを提供するアフリカ発のスタートアップの「Moove」が新規で1億500万ドル(約124億円)を調達した。

2020年に設立されたMooveは、ナイジェリアに本拠を置く企業だが、欧州を含む海外市場への進出を目指している。

今回の調達は既存出資元のSpeedinvest、Left Lane Capital、thelatest.venturesが主導し、新たな投資家として三菱UFJイノベーション・パートナーズやAfricInvest、Latitude、Kreos Capitalらが加わった。

Mooveは昨年8月のシリーズAで2300万ドルを調達していた。

同社のCEOのラディ・デラノによると、アフリカ諸国では、多くの人が自動車を主要な移動手段としているが、自動車の所有率は欧米に比べてまだはるかに低いという。ギグ・エコノミーで働くドライバーは、ムーヴから借り受けた資金で自動車を購入し、配車サービスで得た収入を返済に充てている。

Mooveは現在、ヨーロッパやアジア、MENA(中東・北アフリカ)地域への進出を目指している。「アフリカ大陸では、自動車ローンを最も必要とする人々がそれを利用できないが、MENA地域やアジアの新興市場も同様な問題を抱えている」とデラノは述べている。

Mooveは今後6カ月の間に、アジアやMENA地域とヨーロッパに進出し、欧州では移民のドライバーを顧客ターゲットにするという。

「欧州のギグワーカーの多くは、移民一世であることが分かってきた。彼らは、自動車ローンを含むあらゆる資金へのアクセスに苦労しているという点で、アフリカでの当社の顧客と同じ問題を抱えている」とデラノは述べている。

ムーヴは、新たな資金を用いて今年中に追加の金融サービス製品を発売する予定で、EV(電気自動車)の購入や、女性ドライバー向けの融資サービスの立ち上げを計画している。

「当社は、モビリティの電動化を推進しており、MENA地域では、我々の車両の大半がEVになり、欧州では100%EVになると考えている」とデラノは述べた。彼はさらに、将来的に、Mooveの顧客に占める女性の割合を50%に引き上げていくと語った。

編集=上田 裕資

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