ビジネス

2022.03.14 06:00

「脱クッキー」時代のEコマースを支えるBloomreach、評価額22億ドルに


De Dattaは、Bloomreachの大口顧客の1社であるスポーツシューズメーカー「プーマ」を例に挙げてこう説明する。

「ユーザーがプーマのウェブサイトでアイテムを検索すると、好みのシューズやカテゴリがすぐに表示される。我々はcookieや、アップルが廃止した顧客の行動トラッキングの仕組みを使わずに、サイト内のデータをAIで分析することで顧客の好みを把握している」

850ブランドにサービスを提供


連続起業家で投資家でもあるDe Dattaは、グーグルのリサーチ・サイエンティストだったAshutosh Gargと2009年にBloomreachを設立した。「スタート当初は、検索会社だった」というが、それ以来、同社はウェブコンテンツ管理を手掛ける「Hippo」や、マーケティングオートメーション企業の「Exponea」の買収などを通じ、数多くの機能を追加してきた。

Bloomreachは現在、Williams SonomaやTorridを含む約850のブランドにサービスを提供している。同社のサービスは、「ディスカバリー」、「エンゲージメント」、「コンテンツ」の3つのカテゴリーに分かれ、SEOレコメンデーションやパーソナライズされたメール、SMSマーケティングキャンペーン、ブログなどの機能を提供している。

De Dattaによると、同社はこれらのツールを組み合わせることで、優れた体験を提供できるのだという。「我々が提供するCommerce Experience Cloudは、ユーザーが最初に接するマーケティングから商品の購入まで、全てのサービスを網羅している」と彼は言う。

Bloomreachは現在、世界で760名の従業員を雇用し、年間経常収益は1億1700万ドルに達している。新たに調達した資金は、ドイツへの進出や、パーソナライゼーションとデータ関連の機能向上に充当する予定という。

De Dattaは、今後5年以内にIPOの準備が整うと考えている。「200億ドルの機会を追い求める上で、IPOは自然な流れだ。今後の市場動向を注視していきたい」と彼は語った。

編集=上田 裕資

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