HHCを扱った業者と扱わなかった業者
HHCの販売(規制前)に関して、私も非常に悩みました。大麻関連は様々な人の思惑が複雑に渦巻いています。「大麻=悪い」は世界の潮流では「死語」になりつつあると感じます。実際に、世界に限らず、医療現場で、難治性てんかんの患者や不安、うつ、睡眠障害の方などの中にはカンナビノイドを本当に必要としている人が多く存在することを、この仕事についてから深く知るようになりました。HHCの取り扱いは、ビジネスの面でも、またそれを必要としている人のことを考えても非常に大きな利益をもたらす可能性があることを感じました。
世界と日本を取り巻く大麻事情を考えると、市場経済の側面も含め本気で議論をしなければいけない時期に突入していると感じます。
話を戻します。最終的に、弊社はHHCを導入しませんでした。この理由の一つが安全性です。HHC自体が世界中でなかなか使われていない中で、エビデンスとなるような資料が余りに乏しく、安全面を担保するに足る根拠がありませんでした。また輸入される原料そのものの安全性についても社内の規定を満たすような形で担保することが困難でした。
また、私はHHCの薬物指定が遅かれ早かれ、現状日本を考えると、どのような形かはさておき、規制されることは予想できていました。
上記に書かれている通り、厚生労働省はTHCについて「医療においては検討の余地がある」としていますが、一般で流通させることは現時点においては厳しく取り締まっていこうという根本的な考え方を持っています。
私はカンナビノイド事業者有志の会においてまとめられた意見をCBD議連の第2回で発表させていただき、その後もオブザーバーとして参加を許されています。これはカンナビノイド事業者の最大公約数と、国のできること、議員のできることの折衷に現時点で評価をいただいているからだと考えております。常に現実路線で可能なことを議論しています。
世の中に「絶対的な正しさ」はありません。価値観の相違は、各々の置かれた状況で多種多様に存在します。であるからこそ、法治国家において法律をつくらざるを得ないことは皆が承知していることだと思います。大麻についても同様です。ある主張がどのように論理的で正しくあるように感じられても、その論理の根本の価値が違っていれば、そもそも議論の対象にすらならないのです。
少しずつですが、ここ数年ではじめてその議論が俎上にあがるようになりました。「古い部位規制は時代に合わないから成分規制に」また「医療的な形で使えるように、CBDやTHCも医療での可能性を探る」「栽培の緩和を検討する」「大麻使用罪を検討する」などの大枠がざっくりと決まり、今本格的な議論が巻き起ころうとしている最中です。
世界の動向、大麻のサイエンティフィックなエビデンスに基づく毒性、危険性、安全性、効果についての検討、そして、この大きな流れについては、厚労省も相当リベラルになっておりますし、議員の理解も得られて議連は30名近くの国会議員の構成になりました。
これによる大麻取締法改正が来年3月の通常国会提出を予定されており、これは時代を大きく転換する大きな一歩だと思っております。