ビジネス

2022.03.03 12:00

アマゾンが書店など68店舗を閉鎖、食品やアパレル店に注力

ymgerman / Shutterstock.com 

アマゾンは3月2日、米国及び英国で展開中の68の実店舗を閉鎖すると発表した。閉鎖対象の店には、24以上の書店や30以上の「4スター」と呼ばれる玩具や家庭用品を扱う店が含まれている。

アマゾンの広報担当のベッツィ・ハーデンは、ニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に、同社が今後、食料品店やアパレル店、顧客がレジを使わずに商品を購入できる店舗チェーンの「Amazon Go」にさらに注力すると述べている。

今回の閉鎖は、アマゾンの38店舗の食料品店「アマゾン・フレッシュ」や、子会社の「ホールフーズ・マーケット」が運営する約500店舗には影響しないという。

アマゾンは、ホールフーズを買収した翌年の2018年に、Amazon Goの第1号店をオープンし、その年の実店舗の収益が約172億ドルに達したと発表したが、2021年には171億ドル(約1兆9800億円)に減少していた。

同社は今年後半、カリフォルニア州グレンデールにファッション店舗の「アマゾン・スタイル」の1号店をオープンする予定で、そこではアプリを使って試着室に直接服を届けてもらうことが可能になるという。

アマゾンは2019年に「Amazon Pop Up」を閉鎖すると発表したものの、米国の7つの州とコロンビア特別区の9店舗は、今も営業を続けている。

1994年にオンライン書店として始動したアマゾンはその後、医薬品からクラウドストレージまであらゆるものを販売する多角化を進め、1兆5500億ドルの時価総額を持つ企業に成長した。しかし、Eコマースの巨人に成長した同社は、対人ショッピングでは苦戦しており、収益面でデジタルの店頭広告に依存する店舗もあるとInsiderは報じていた。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は昨年8月、アマゾンが百貨店のノードストロームの小型版に相当する店舗の開設を計画していると報じ、ファッション店舗のアマゾン・スタイルの開設を予見していた。

広報担当者のハーデンは、今回の店舗の閉鎖にもかかわらず、同社が今後も、実店舗の運営に長期的なコミットメントを持っていると述べている。

編集=上田 裕資

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