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2022.03.02

ソノ アイダ。有楽町で「一等地の価値」を問うアートプロジェクト

新有楽町ビルで開催されているアートプロジェクト「ソノ アイダ#新有楽町」(写真=ソノ アイダ提供)


例えばマイアミは、世界規模のアートフェア「アートバーゼル」を誘致して、危険な街から文化的な街に変貌した。ニューヨークのミートパッキングエリアは、文字通り精肉工場が立ち並ぶ倉庫街だったが、その跡地にアートギャラリーやエッジの効いたブランドが入り、今ではアートな地区として知られている。

遊休空間とアートを掛け合わせて、街に彩りや人流をもたらす。「ソノ アイダ」が提示する仕組みはどこでも応用できるかもしれないし、これから増えてくると藤元は言う。実際、他のデベロッパーが見学に来たりもしている。

「結局、人が集まる理由は人なんです。アーティストの動向に興味が湧いて、話を聞いてみたくなる。そうして人が自然と集まる場所は面白くなる。今の社会は、システムや合理化を進めてきた結果、つまらなくなったのではないかと問われています。経済合理性より根本的な価値観と心意気を皆で持ち寄る、こうでもしないと新しさを形にできません。アーティストはきっかけで、参加する人そのものが、街や時代になっていくのだと思います」


「ソノ アイダ#新有楽町」では、3月11日から16日までNFTアートフェア「Meta Fair #01」を開催予定(写真=藤元 明)

ソノ アイダが単なる“システム”になってしまえば、それはまたつまらないものになってしまう。そうならないためにも、このプロジェクト自体も、今後NFTアートフェアや大人向けの現代美術スクールなど、異なる要素を取り入れながら進化していく。スマートシティ、スーパーシティ、再開発など各地で計画が進むなかで、藤元の「都市という単位の作品づくり」は続いていく。

取材=鈴木奈央

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