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2022.02.21

尿検査によるがん検出を世界へ


小野瀬:僕が仙石さんに投資してもらいたいと思ったのは、本当に困ったときに、「助けてください」と言える信頼関係を築けると思ったから。実際、直近のシリーズBでは、会社の方針で、あるVCさんの大きな投資を断るというリスクの高い意思決定をしたのですが、仙石さんにそのご連絡をしたら、開口一番に「小野瀬さんを支持します」とズバッと言ってくれて。変なハレーションがなく、すごくフラットな議論ができることは、本当にありがたい。

仙石:その投資を受けていたら、もっと早くに調達はクローズできたかもしれない。でも、株主と会社の関係って、そんなに甘いものではないし、小野瀬さんが考えに考え抜いて決めたことだとわかっていましたから。

小野瀬:調達も終わり、22年2月には、健康診断のリスクチェックとして検査サービスをローンチします。まずは売り上げに固執するのではなく、オペレーションをしっかりやっていきたい。僕たちは、この技術を使って世界で勝負することにかなりこだわっているんです。薬事承認の申請も同年に開始し、リスクチェックだけでなく、がんの疑いがある人への本格的な検査サービスにしていきます。

仙石:信じています。Craifのみんなが気持ちよく事業を推進できるような環境をつくることが僕の役目。後ろから背中を押していきます。


せんごく・しょう◎大和企業投資国内投資運用第一部課長代理。1991年、千葉県生まれ。東京理科大学数学科を卒業後、大和証券で資産コンサルティング業務に従事。2017年4月に大和企業投資に入社し現在に至る。(写真左)

おのせ・りゅういち◎Craif代表取締役。1991年、東京都生まれ。早稲田大学国際教養学部を卒業後、三菱商事でLNG船事業などに従事。2018年5月にIcaria(現・Craif)を共同創業。「Forbes 30 Under 30 Asia 2021」に選出。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.089 2022年1月号(2021/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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