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2022.02.17 17:00

欧州諸国が相次ぎ「コロナ規制解除」、ワクチン接種完了で

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スイス政府は2月16日、新型コロナウイルスの感染対策の大半を解除すると発表した。これにより、17日以降は、ほとんどの公共の場でマスクの着用義務やワクチンの接種証明書及び陰性証明の提示義務が解除され、個人的な集まりでの人数制限も撤廃される。

さらに、大規模イベントの制限も解除される。

ただし、スイス政府は少なくとも3月末までは、医療機関や公共交通機関でのマスクの着用義務を継続し、ウイルス検査で陽性と判定された人には、5日間の隔離を法律で義務付ける。

欧州ではオランダ、デンマーク、ベルギー、ノルウェーなどの国々がここ数週間で新型コロナウイルス関連の規制を解除している。これらの諸国は、ワクチンの接種率の高さを規制解除の理由に挙げているが、スイスで接種を完了させた成人の割合は69%と、欧州では最も低い水準だが、米国を4%上回っている。

これらの国の多くでは、オミクロン株の拡大で新規感染者数が急増したが、入院患者数は低い水準に留まっている。しかし、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は、「勝利宣言はまだ早い」として、規制緩和策を早急に中止するよう警告している。

欧州での動きは、各国の政府が、新型コロナウイルスをインフルエンザや水疱瘡と同類の風土病とみなし、「ウイルスとの共存」を目指していることを示している。

米国の世論調査でも、コロナ関連の規制に不満を持つ人が増え続けていることが示されている。先月発表されたモンマス大学の調査では、米国人の70%が「コロナを受け入れ、共に歩んでいく時だ」という意見に同意していた。

デンマーク政府は2月1日にEU加盟国としては初めて、コロナ関連の規制をほぼ全面的に解除した。これは、同国のワクチン接種率の高さ(80%以上が完全に接種済み)と、重傷者数の少なさを理由とする措置だった。

ベルギーやオランダも18日から規制の解除を予定しており、イギリスでも先月からほとんどの公共の場でマスクの着用義務や証明書の提示義務が解除されている。

フランス政府も、28日から屋内のマスク着用に関し、ワクチンの接種証明の提示が義務付けられている場所では交通機関を除き、義務を解除すると発表した。ノルウェーも12日から、ほぼ全ての規制を撤廃した。

イタリアとスペインでも屋外でのマスクの着用義務が解除され、ドイツ政府も春までにほとんどの規制を撤廃する予定だと発表した。

編集=上田 裕資

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