ヴァージン・ギャラクティックが宇宙旅行チケットの一般販売をするのは初めて。今回分の予定販売数は1000枚。座席を離れて無重力状態を数分間体験できるほか、「息をのむような地球の姿」を眺められるとうたっている。宇宙船は米ニューメキシコ州にある同社の宇宙港から打ち上げられる。
発表を受けて、15日の米株式市場でヴァージン・ギャラクティックの株価は前営業日比33%高の10.91ドルに急騰した。ただ、ブランソン自身による初の宇宙飛行への期待から昨年6月につけた最高値の57.51ドルには遠くおよばない水準にある。
アナリストらは同社株についてそれほど強気な見方は示していない。バーンスティーンのアナリストであるダグラス・ハーネッドは先週、ヴァージン・ギャラクティックが利益を出せるようになるのは2027年以降になると予想し、目標株価をそれまでの22ドルから10ドルに引き下げている。
ヴァージン・ギャラクティックは昨夏、投資家から5億ドル(約580億円)を調達したが、先月には新たに4億2500万ドル(約490億円)の社債発行を発表した。ハーネッドはこれについて、短期的に必要となる現金が想定より膨らんでいるのではないかと分析している。
米国では富豪の設立した企業が宇宙旅行ビジネスで競い合っている。イーロン・マスクのスペースXは昨年9月、民間人のみを乗せたものとしては初の宇宙船打ち上げに成功。ジェフ・ベゾスはブルー・オリジンに関して、宇宙飛行チケットの売上高がすでに1億ドル(約115億円)近くに迫っていることを明らかにしている。
フォーブスによると、15日の株価急騰後、ブランソンの推定資産額は54億ドル(約6200億円)に膨らんだ。