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2022.02.19 13:00

持続可能な家族企業に光を。世界的な賞に「京都の漆店」がノミネート


そのような環境において堤氏は、古くは縄文時代から続く漆の伝統と文化を存続させるべく、様々な活動に取り組み、新しい形での漆の魅力の提案や発信にも励んでいる。さらには、漆を塗る木地、その原料を支える林業、林業を育む地域の問題まで、漆をとりまく循環の問題に向き合うようになったという。まさにこの賞が推奨する、漆を通じた、持続可能な取組み、そして次世代への伝統文化の継承と言える。


オーストラリアの有名なサーフボード職人と協力して、古代ハワイアンが使用していたようなエレガントな漆塗りを施した木製のサーフボードを製作するなど、新しい発想で漆の魅力を伝えている。

他の最終候補は、仏プロヴァンスの繊維・布製造企業、米フロリダのキューバレストラン、伊フィレンツェの製本と装飾紙の老舗店、同じくトスカーナの生地生産の企業で、いずれも代々続く家族経営の企業だ。

来月3月に、5つの最終候補のなかから、最終的な受賞者が発表される。

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島悠里、写真=PFV及び堤淺吉漆店(Ichi Nakamura&Shinichi Kotoku)

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