レストラン「sio」が実践してきた、「成功」のための方程式

ECサイト「シズる商店」で販売している「チーズだったりチョコだったりするケーキ」


そして、もっとたくさんの人を“美味しい”でハッピーにするために、僕はレストランを離れて、シェフから経営者になりました。現在は、東京に4つ、大阪に1つ、奈良に1つの店を展開しています。全店舗を合わせると、年間数万人のお客さまにお越しいただけるようになりました。さらに4月には福岡に2店舗がオープンする予定です。

それでもまだまだ、です。もっとたくさんのお客さまを喜ばせたい。だから、2021年に「シズる株式会社」をつくりました。多くの食品メーカーや外食のナショナルクライアントさんとともに、新商品開発などのお仕事をさせていただいています。

「情熱×ロジック×行動力」で必ず勝つまでやる


ここまで大きく手を広げるのはなぜか? 店を通じてだけでは届けられないお客さまに“美味しい”を届けたいからです。

そのために、11月にはECサイト「シズる商店」も立ち上げました。第1弾として販売した商品は、「チーズだったりチョコだったりするケーキ」。チョコレート専門店「Minimal -Bean to Bar Chocolate- (ミニマル)」の定番商品を使用した、オリジナルのチョコレートチーズケーキです。

ほかにも、スパイスカレーと雑穀米が高め合う「新カレー理論」というチキンカレーや、sioのスペシャリテ「sioアイス」も販売しています。まだまだ商品は少ないですが、全国の方に、僕らの“美味しい”が詰まった商品を届け始めることができました。


「シズる商店」で販売している「新カレー理論」(税込3240円)

僕は、この事業には大きな可能性があると感じています。

当たり前ですが、レストランはリアルな場所が必要なのに対して、ECは必要ありません。さらに、営業時間の制限もありません。製造とロジスティクスの問題を解決すれば、地球上のあらゆるところに僕らの料理を届けることが可能です。

これは、僕らのモットーである「幸せの分母を増やす」に直結します。レストランでしか出来ない体験と、ECにしか出来ないこと。その両方を組み合わせれば、幸せの総量を増やすことができます。

だから今年は「シズる商店」に力を入れたい。まだまだ課題も山積みですが、全身全霊をかけてシズる商店を成長させたい、いや必ず成長させます。sioをオープンしたときと同じように、「情熱×ロジック×行動力」で必ず勝つまでやるのです。そのためにはもちろん、愛と想像力を持った仲間も必要です。

「遠くへ行きたければみんなで行け」はホント?


最後に一つ、ことわざを紹介させてください。

岸田首相の所信表明演説にも引用されたのでご存知の方も多いと思いますが、アフリカのことわざに「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」という一文があります。

これは、とても真理を突いていると思います。でも僕はそれでは間に合わないと思うのです。人生には限りがあるからです。僕は、早く遠くまで行くために、それができる愛を持ったチームを作ろうと思います。

さて、2022年もたくさんの方を料理で笑顔にできますように。

文=鳥羽周作

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