特許関連サイトのPatently Appleが1月27日掲載した記事によると、アップルが新たに取得した特許には、イヤホンに搭載されたセンサーが耳の穴の形状をチェックして、本人かどうかを認識するテクノロジーについての記載がある。
なぜ、これが重要なのかというと、今後リリースされるAirPods Pro(あるいはAirPods)が、イヤホンをつけているのが本当の持ち主なのか、それとも別の人なのかを見分けることが可能になるからだ。このシステムを用いれば、デバイスがそのオーナーが装着した場合にのみ機能するようになり、泥棒にとっては全く魅力がないものにすることで、盗難を防げるかもしれない。
ただし、この機能によってイヤホンを他の人に貸すことができなくなるという別の問題が生じるが、そもそも日常的に他人にイヤホンを貸す人は少数派だとも考えられる。
それよりも、この仕組みはデータのセキュリティを高めるために使われる可能性の方が高い。特許資料には、「従来のシステムでは、ヘッドホンを不正に装着した人に、関連するデバイスから個人情報が漏れる危険性がある」との記載がある。
これはつまり、誰かがあなたのAirPodsを奪って耳に装着し、個人的なメッセージを聞いたり、Siriを起動して悪意のあるメッセージを第三者に送るような行為が想定できるという話だ。この行為を実際に行えるのは、犯人がそのAirPodsが接続されているiPhoneやiPadの近くにいる場合のみだが、プライバシーが守られるのはいいことだ。
アップルは、ユーザーの耳に関連する生体情報をイヤホンから取得しようとしている。具体的には、超音波信号を使い、ユーザーの外耳道の形状をマッピングするという技術だ。
このテクノロジーはまた、装着した人の歩き方のデータを取得して、それが正式な持ち主かどうかを見分けることも可能にするという。ただし、この方法で個人を認識する場合は、装着者がじっとしているのではなく、動き回ることが必要になる。
もちろんこれらの技術が、特許資料に記載されたのみで、実際のプロダクトには採用されない可能性もある。しかし、この特許が最初に出願されたのが2020年7月であることを考えると、アップルが年内に発売が予想されるAirPods Pro 2向けにこの機能を準備していることも想定できる。