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2022.02.07 10:45

メタバースで巨額赤字、動画広告でも苦戦するザッカーバーグ

Chesnot/Getty Images

マーク・ザッカーバーグ率いるメタ(Meta)は、10億人以上のユーザーを獲得したTikTokとの困難な戦いに直面している。先日行われたアナリストとの電話会議で、ザッカーバーグはそのことを認めていた。

その会議で彼は、自社のアプリの成長が停滞していることや、フェイスブックのデイリーユーザー数が実際に減少していることを報告したが、これは同社の18年の歴史の中で初めてのことだ。

ザッカーバーグは、インスタグラムとフェイスブックに短編動画機能のReelsを導入したが、このReelsこそがTikTokに対抗するための有効なツールになると繰り返し述べていた。しかし、仮にザッカーバーグがReelsの長期的なポテンシャルを信じているのであれば、莫大な資金をそこに投入するはずだが、実際はそうなっていない。

ユーチューブで1310万人の登録者数を誇る教育チャンネル「Crash Course」を運営するハンク・グリーンは、各社の動画プラットフォームの中でユーチューブが最も稼げる場所だと述べている。

ユーチューブは、動画で得た広告収入の55%をクリエイターに分配しており、「収入は年を追うごとに増えている」とグリーンは話す。彼の場合、1000回の再生につき約2ドルの収入を得ているという(ユーチューブの昨年のクリエイターへの支払額は、160億ドル近くに及んでいた)。

グリーンは、TikTokにもアカウントを持っているが、TikTokで得られる収入は、ごくわずかなものだという。一方で、Reelsでの彼の動画の再生回数は先月1600万回に達し、1000再生あたり約60セントの報酬が発生したという。

これはTikTokの数倍に及ぶ報酬ではあるが、グリーンはそれでもReelsに注力する気にはならないという。その理由の一つは、TikTokにはディープでユニークな動画が多く、独自の世界観を構築しているが、Reelsのコンテンツは表面的なものが多く、プラットフォームとしての魅力に乏しいからだとグリーンは述べている。

もう一つの要因は、Reelsに重くのしかかるメタの悪評だ。「フェイスブックは伝統的に、クリエイターの良きパートナーになることが苦手な企業だ」と彼は指摘する。フェイスブックは2017年に「動画ファースト戦略」を打ち出し、長編動画プロジェクトのWatchを立ち上げたが、そこに軸足を移したメディア企業のMashableは結局、事業の閉鎖に追い込まれていた。
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編集=上田裕資

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