ビジネス

2022.02.07

メタバースで巨額赤字、動画広告でも苦戦するザッカーバーグ

Chesnot/Getty Images


あまりにも少ないReelsへの投資


メタの営業利益率はアルファベットを上回る36%で、手持ちの現金は480億ドルに達している。ザッカーバーグが本気で、Reelsを伸ばしたいのであれば、彼らには十分な資金があるが、実際はそのような動きを見せていない。

メタは昨年7月、クリエイターへの報酬のためにReelsに最大10億ドルを用意すると宣言したが、これは同社が利用可能な資金のうちのごくわずかでしかない。さらに、同社はこれらの資金を分配する期限が2022年12月までだと述べており、それを過ぎれば資金供給が停止する可能性もある。

ザッカーバーグは長年、自分が信じるプロジェクトのためには、エベレスト級の大金を投じることを厭わない姿勢を示しており、その顕著な例がメタバースだ。同社は昨年の1年間だけで、メタバース部門に101億ドルを投じていたが、この額は2022年にさらに膨らむと見られている。また、メタバースへの支出にはReelsのような期限は設定されていない。

彼らはつまり、メタバースには「可能な限り最大の支出」を行うが、Reelsに対する姿勢は全く異なっているのだ。

メタの昨年の売上1180億ドル(約13.6兆円)のうちの98%は、インスタグラムとフェイスブックによるものだ。ザッカーバーグは、メタバースが実現するまでの間、この2部門の広告収入にしがみつくしかないことを自覚しつつも、Reelsが長期的な問題を解決する手段ではないことを認めている。

インターネット広告の軸足は今後ますます、短編動画に移行していくが、ザッカーバーグは、実際のところTikTokに対抗する上でReelsが長期的に有効な手段ではないと考えている。もし、Reelsに本気で期待するのであれば、その支出額がメタバースに投じる額のわずか数週間分であるはずがない。

編集=上田裕資

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