3. 労働者のスキルアップ
小売業界に関する情報サイト、リテール・タッチポインツ(Retail TouchPoints)によると、全小売業者の半分以上が従業員の技術スキル改善のため、トレーニングの追加を計画している。
買い物客の陳列された商品との接触方法を評価するため、人工知能(AI)が活用されている。クローガーではスマートショッピングカートへの情報提供、「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」では商品をすぐさまスキャンすることが目的だ。
労働者がこうした技術に実際に触れ、慣れていればいるほど、職場にとどまり効率性を上げてくれる可能性が高まる。またAIは、仕事に最も適した候補者の検出にも使える。
4. オーバーブッキング、派遣の活用、応援要請
アラバマ州やジョージア州の米スーパーチェーン、ピグリー・ウィグリーの店長らは、一定数の従業員が出勤しないかできないを前提とし、飛行機のオーバーブッキングと同じ手法を人材配置に採用している。同社はまた、棚への商品補充を行う人員確保のため、人材派遣会社も活用している。
ピッツバーグを拠点とするチェーン、ジャイアント・イーグル(Giant Eagle)は店舗の在庫補充作業の支援として本社から従業員を派遣してきた。その結果、同社は470近くある店舗のいずれも閉鎖せずに済んだ。
5. 休憩時間を減らす
ホールフーズは、従業員の休憩時間を15分から10分に短縮した。これは大したことではないように思えるかもしれないが、同社の従業員は約9万人で、多くの州ではフルタイムのシフトに有給の休憩時間が2回含まれていることを踏まえれば、その重みが理解できる。
1つの店舗の1シフトに入っているフルタイムの従業員が50人だとすれば、1人が追加で働ける時間は10分で、これはシフト当たり500分(約8.3時間)に相当する。この決断は全従業員に評価されているわけではないが、ホールフーズはCBSニュースに対し、この方針により「勤務日を通して大部分の従業員の休憩時間が増える」と述べた。
一時の解決策は、恒久的なものに?
人員不足へのこうした解決策が本当の意味で試される基準は、金銭的にどのような影響がもたらされるかだろう。顧客がお気に入りの店舗を使い続け、売り上げが伸びるようであれば、余白を減らすための努力はどのようなものであれ長続きするはずだ。自己決済レーンの人気を見るだけで、そのことは理解できるだろう。
それでも、買い物客はクラムケーキの選択肢を持つことや足用クリームが置いてある場所を人に案内してもらうこと、夜遅くにおむつやアイスクリーム(あるいは両方)を求めて店に走ることを求めるだろう。需要が高いスーパー事業ではいつもそうであるように、その場限りの解決策はバランスの取れた戦略にかなわない。
缶詰のセクションに回るだけの十分な手がありさえすればよいのだ。