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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

DCMの本多央輔(左)とfreeeの佐々木大輔(右)

事業を成功させるために重要な投資家と起業家のよりよい関係性とは。DCMの本多央輔とfreeeの佐々木大輔が10年間のパートナー関係を振り返る。


佐々木大輔が立ち上げたクラウド会計ソフトのfreeeは、2021年7月、設立10年目を迎えた。SaaSビジネスの重要指標であるARR(年間経常収益)は100億円の大台を突破し、8月2日現在、同社の時価総額は5000億円を超えている。

米大手VC・DCMの本多央輔は、創業初期から投資を行い、成長をサポートしてきた。描いた未来の実現に向けて共に歩んでいくために大切なこととは何か。ふたりに聞いた。

2015年8月号

過去の本誌連載「私がこの起業家に投資した理由」で、本多は投資家と起業家の関係性を「F1レーサーとピットクルー」に例えた。同じレースに参加していても、投資家は異なるアングルからアドバイスを送るという意味だ。(記事はこちら

──おふたりはfreee創業以前からのお付き合いと伺っています。当時を振り返ってみて、10年後の未来をどう描いていましたか。

本多:佐々木さんとは、彼がまだグーグルに在籍していたときからの仲ですが、当時から「中小企業の人たちがバックオフィスに時間、手間、エネルギーを取られることなく、本当にやりたいことにフォーカスできる世界をつくりたい」と言っていたんですよ。あのころの会計ソフトは、専門性の高い複式簿記がわかる人でないと使えないようなものばかりで、「ユーザー体験がすごく大事だ」というのは、既存プレイヤーたちにはない発想だった。そこからブレずにいまでも同じことを言い続けているのはすごい。

佐々木:変わってないのは、目指している世界観を実現できていないからですよ。ある程度の先進的なユーザーには受け入れてもらえましたが、まだスモールビジネスの会計ソフト利用率は半分ぐらいだし、そのなかでクラウドの利用率は15%程度にすぎません。freeeが本当に世の中のメインストリームに受け入れられるのか、という話はまだこれからです。

──とはいえ、国内有数のSaaS企業に成長しています。おふたりの関係性のなかで、飛躍するきっかけになった出来事は何でしょう。

佐々木:いちばん重要だったと思うのは、最初のシード投資の直後に、「COOをすぐ雇いなさい」と言ってもらったことですね。

本多:ああ、六本木で昼食をご一緒したときのことですね。右腕になる候補者はいないのか聞いたら、佐々木さんが「実はグーグル時代に一緒に働いていた人がいるんだけど、絶対入ってくれません」と諦めていて。そこで、一度会って話をしてみようと思い、紹介してもらったんです。そしたら、結局入社してくれることになって。それが現CFOの東後(澄人)さんです。

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

起業家

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