後者にとって幸いなことに、低度数ワインに関しては、この2年で新商品が数多く登場しているほか、時代を超えて愛される定番商品も健在だ。この記事では、「ノー・ロー(no-low=ノンアルコールと低アルコール)」あるいは「ベター・フォー・ユー(better for you=より健康的な)」とも呼ばれる、低度数およびノンアルコールのワインについて、新旧ブランドをとりまぜて、米国での現状を解説する。
革新的な新ブランドに注目のノンアルコールワイン
アルコール度数が12~15%のワインが多くを占める米国市場で、人気上昇中なのがノンアルコールワインだ。このカテゴリーは、低度数のワインと比べると、通常のワインに近い味の製品を作るのは難しい。甘いブドウジュースから、薄めたフレーバーウォーターまで、味の濃さはさまざまながら、ワインとはほど遠い味の製品も多い。だがそんななかでも、技術革新が進みつつあり、選択肢として考慮すべき新しいブランドも複数生まれている。
多くの新ブランドが花開く低度数ワイン
低度数ワインのカテゴリーには、この2年間で新ブランドが数多く参入した。一般的に、このカテゴリーに属するワインのアルコール度数は7~10%のものが多く、同じ量であれば、通常のワインよりもカロリーが低い。
低度数ワインのブランド、シー・ウェイヴ(Sew Wave)でワインの醸造を担当するアリソン・クロウ(Alison Crowe)は、このくらいの度数のワインが多い理由について、こう説明する。「一部のスパークリングワインやロゼ、リースリングなど、通常の醸造過程を経ても11%程度のアルコール度数にとどまるワインが存在する。だから、いわゆる『低度数』ワインというのは、10%以下の度数を指すカテゴリーだというのが私の考えだ。7~10%という度数は、味も普通のワインとそう変わらず、同じように楽しめるが、カロリーや糖質は低く抑えられる、言ってみれば『スイートスポット』と言える」