メリンダ・ゲイツ、10年前から揺るがない「自己表現」とは

メリンダ・フレンチ・ゲイツ(Getty Images)

12月7日に、米フォーブスから2021年の「世界で最も影響力のある女性100人」のランキングが発表された。上位5位を挙げてみるとこの様な顔ぶれだ。

1位 マッケンジー・スコット(米国/慈善活動家)
2位 カマラ・ハリス(米国/政治家)
3位 クリスティーヌ・ラガルド(フランス/政治家)
4位 メアリー・バーラ(米国/実業家)
5位 メリンダ・フレンチ・ゲイツ(米国/慈善活動家)

その中でも、他とは一味違うそのプレゼンスで、とても気になる人がいる。メリンダ・フレンチ・ゲイツ氏だ。彼女は過去にも同じランキングに入っており、世界的にも注目される機会が多い人である。

そんな彼女を筆者が気になる理由、それは彼女が「外見は“適当”でいい」と思っていそうだから。彼女を見ていると、「自分の立ち位置」と「社会における自分のあり方」を非常にはっきりと意識しているのだと感じる。

自分が素敵に見えるかはどうでもいい?


メリンダ氏は、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の共同会長として、フィランソロフィー界で最もパワフルな女性の一人だ。財団の使命である「すべての人々が健康で生産的な生活を送れるように」を実践すべく、女性と女児の権利に関する仕事に多くの人生を捧げてきた。

2021年5月には、ビル・ゲイツ氏との離婚を発表したが、それでも財団の共同会長にとどまった。離婚時に24億ドル相当の株式を譲渡されたことから、単独で億万長者にもなったことでも話題になった。

このような肩書を持っているメリンダ氏なので、当然、人の前に出る機会も多い。ただ、米国のメディアで見かける際の印象は、決して華美ではない。筆者は「彼女にとって、自分が華やかで素敵に見えるかどうかなど、実は端からどうでもいいのかもしれない。もっと大事なことがあると思っているのだろう」と分析している。

職業とプレゼンスを乖離させない


実際にメディアで使われている写真を見てみると、あまり化粧っ気を感じさせないものばかりで、その装いはあまり”洗練されている”とは言えない。
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文=日野江都子

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