ペルソニオは、10月に2億7000万ドルを調達した際に63億ドルと評価されていたため、1%の株式は6300万ドル(約72億円)に相当する。
また、同社の共同創業者や投資家も、気候変動や教育の不平等の問題に取り組む慈善団体向けに、300万ドルの現金を寄付しており、合計で6600万ドルを寄付することになる。ペルソニオの共同創業者でCEOのハノ・レナーは、「会社が成功するためには、社会に対する責任を果たすことが重要だ」と述べている。
レナーは、免税店のDFSグループを創業し、数十億ドルの財産のほとんどすべてを慈善活動に寄付したチャールズ・フィーニー(Charles Feeney)の存在が、彼と彼の仲間の共同創業者たちに影響を与えたと述べている。
「私が本当に感銘を受けたのは、彼が生涯に渡って全財産を寄付し、社会にインパクトを与えたことだ」とレナーは話す。
2014年にセールスフォースやアトラシアン、Tideらが立ち上げた1%の誓いキャンペーンは、米国とオーストラリアで人気を博しているが、教育出版社のピアソンン(Pearson)や会計ソフトのセージ(Sage)などの英国のスタートアップも参加している。
ペルソニオの1%の出資には、既存の出資元だけでなく、後続のラウンドに参加する新規の投資家も参加を求められることになる。そのため、投資家は、投資のリターンの一部が財団に寄付されることに同意しなければならない。
「当初、この条項を初めて目にした人々は戸惑いを感じていたが、時間が経つにつれ、これが私たちの文化の重要な一部であることを理解してもらえた」と、レナーは話した。
さらに、ペルソニオのファンドがユニークなのは、立ち上げにあたってのシード資金の一部を、既存出資元のベンチャーキャピタルからも調達している点だ。これは、欧州の市場で成功を収めた彼らが、投資家に対して、発言力を高めていることを反映している。
ペルソニオの4人の共同創業者は、ロンドンを拠点とする慈善イニシアチブのFounders Pledgeにも参加している。このイニシアチブは、起業家が事業の売却や上場を果たした場合に、一定の割合の持分を慈善団体に寄付するものだ。