オランダの原子力安全・放射線防護局(ANVS)は12月16日、ペンダントやスリープマスク、2つのネックレス、子供用を含む5種類のブレスレットに対して警告を発した。対象となるブランドは、「Energy Armor(エナジーアーマー)」と「Magnetix Wellness(マグネティックスウェルネス)」とされている。
これらの製品に含まれる放射性物質はごく微量かもしれないが、長時間継続して装着した場合、細胞の組織やDNAに損傷を与える可能性があると科学者は警告している。
ANVSは、これらの製品を購入した人々に使用を中止し、安全な場所に保管した上で、当局に連絡をとるよう消費者に勧めている。危険性が指摘された商品のいくつかは、現在もなおShopifyやアマゾンなどのサイトで販売中のままになっている。
5Gネットワークが健康に悪影響を及ぼすという証拠は存在しない。それにもかかわらず、5Gネットワークは、様々な陰謀論を引き起こし、パンデミックの原因になっているなどの根拠のない説が広まっている。
その影響で、今回ANVSが指摘したような「5Gに対する防御効果」を謳うデバイスを販売する企業が増えている。また、血行を良くしたり、集中力を高めたりといった怪しげな健康効果を謳う「Quantum Pendant」と呼ばれる製品もある。
通信業界大手のエリクソンは、2021年末までに世界の20億人が5Gにアクセス可能になると予測している。さらに、2027年には世界の人口の95%が5Gにアクセスできるようになる見通しという。
5Gネットワークが人体に害を及ぼすことはないかもしれないが、FAA(連邦航空局)はパイロットが地上からの距離を判断するために使用する計器に干渉する可能性を懸念している。AT&Tとベライゾンは12月5日に開始する予定だった新しい5G周波数帯域の運用を、来年1月5日に延期したが、これは主要な航空安全システムに影響を与える恐れがあるというFAAの懸念を受けてのことだとされている。