米労働統計局のデータによれば、外食産業に従事する人たちの賃金は今年、初めて時給16ドル前後に上昇している。また、業界では労働組合への加入に関する議論も高まっている。
ワシントン州など一部の地域で事業を展開するバーガービルは先ごろ、労働協約について合意。ニューヨーク州バッファローにあるスターバックスの従業員は12月、労働組合の結成を決めた。マサチューセッツ州ボストンの店舗でも、結成に向けた投票の実施を求める申し立てが行われている。
米国の外食産業に従事する労働者のうち、組合に加入している人は1.2%だ。民間部門の平均は6.3%で、外食産業は最も加入率が低い業界の一つとなっている。だが、この業界労組結成に向けた動きは今後、加速していくる可能性がある。
そして、その結果として、従業員中心のイニシアチブを積極的に開始するファストフード・チェーンが増加することも考えられる。さらに、変化は賃金の引き上げだけにとどまらない可能性もある。
外食産業で働く人たちがこれまで、離職の原因に挙げてきた主な問題は、柔軟性の欠如、ハラスメント、健康と安全に対する懸念などだだ。だが、マクドナルドは柔軟性を高めるため、時給を引き上げ、学費を支援するのと同時に、従業員の育児と介護を支援している。
また、ハラスメントや健康・安全の問題に対応するため、タコベルは希望する従業員が、無料でセラピーを受けられるサービスを提供している。