コロナ禍で女性の性欲が減退、長期間のストレスが健康全般に影響

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新型コロナウイルスのワクチン接種が進む一方、新たな変異株は出現し続けている。こうした状況が続くなか、このパンデミックは人々の心身に、さまざまな影響をもたらしている。

ある慈善団体は調査の結果、学校の閉鎖、そしてロックダウン(都市封鎖)が、人々の精神面に永続的なダメージを与えた可能性があると指摘している。そして、アイルランドの首都ダブリンにある国立大学トリニティ・カレッジの研究チームが行った調査では、パンデミックは女性の月経周期と性欲にも、変化を及ぼしたとみられている。

リサ・オウエンズ博士(臨床医学)が率いる研究チームは2021年4月、女性と生理がある人1300人以上を対象に調査を実施。うつや不安の症状、睡眠、パンデミックで受けたと考えられるプレッシャーなどについて質問した。

先ごろチームが内分泌学会で発表したその結果によると、調査対象者の54%が、パンデミックの発生以降、性欲が低下したと答えたという。多くの人が自宅で仕事をし、そのためのスペースをパートナーと共有し、育児について折り合いをつけ、さらにパンデミックに関する状況の変化について、注意を払っていなければならなかったことも影響していると考えられる。

長期にわたってストレスを感じ続けると、私たちの体はコルチゾールを放出する。このホルモンは、闘争・逃走反応を引き起こすもので、私たちにとって大切なもののひとつだ。危険な状況にあることを認識すれば、そこから離れることを促してくれる。

だが、パンデミックが発生して以降は多くの人が、逃げ出すことができない状況下で、ストレスを抱えながら、新たな暮らし方に折り合いを付けなければならなかった。

そうしたストレスを強く感じる状況では、「何かに気を取られている、疲れている、小休止が必要だ」と感じるようになる。生活における優先順位のリストの中で、セックスが上位に入らなくなることは、驚くことではないだろう。ストレスが引き起こす可能性があるうつ病や不安障害も、性欲の低下と関連するものだ。
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編集=木内涼子

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