だからこそ、ここ最近、数十台や数百台規模の導入がアナウンスされたり、ゼロエミッションの大型車両に対する政府の支援を求める活動家が現れたりと、電動スクールバスに関する話題が相次いでいるのは良いニュースに違いない。
米国肺協会(ALA)は2021年7月、超党派のインフラ法案に関する議論の一環として、電動スクールバスに200億ドル(約2兆2600億円)の投資を行うよう議会に要請した。この資金は、米国内のスクールバスの5分の1を電動化するためのものだ。
同時期にALAが発表した調査結果によると、米国の有権者の68%が、議会によるゼロエミッションのスクールバスへの投資を支持していた。さらに82%が、子供たちの周りの大気汚染を減らすことが党派を超えて取り組むべき課題だと回答し、72%が、自分の住む地区のスクールバスがディーゼルエンジンではなく、ゼロエミッションになることを望んでいた。
この調査を実施したGlobal Strategy Groupの上級副社長のAndrew Baumannは、「ゼロエミッションバスへの移行に対する支持は圧倒的かつ広範だ」と声明で述べた。
気候変動の問題に取り組む団体のClimate Nexusは、全米で250以上の学区が電動スクールバスへの切り替えを何らかの形で約束していると述べている。アリゾナ州、バージニア州、ロサンゼルスの少なくとも3つの州と市が、電動スクールバスの使用を開始し、クリーンな空気を地域社会にもたらしているという。
電動スクールバスの導入が進んでいるのは、米国だけではない。カナダの電動トラックとバスのメーカーの「ライオン・エレクトリック」は7月、カナダのプリンス・エドワード島に35台の電動スクールバスを導入すると発表した。これは、2021年初頭から同島で運行している12台のフリートを拡大するものだ。
ライオン・エレクトリックは、5月に過去最大の260台の電動スクールバスの受注を、ケベック州で学生向け輸送を手掛ける企業First Studentの子会社のTranscoから獲得していた。