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2021.12.14 06:30

植物由来食品のストロング・ルーツ、カナダ冷凍食品大手と提携

(c) Strong Roots

植物由来の冷凍食品を手がけるアイルランドのスタートアップ、ストロング・ルーツ(Strong Roots)は、カナダに本社を置く冷凍食品の世界的大手マッケイン・フーズに少数株を5500万米ドル(約62億円)で売却した。マッケイン・フーズの複数の幹部を取締役にも迎える。

ストロング・ルーツは売却した株式数を公表していないが、これに先だって、同社株の38%を保有していた米プライベート・エクイティ投資会社グード・パートナーズがエグジット(資金回収)していた。

ストロング・ルーツは引き続き独立した企業として事業を行うが、今後は多国籍企業であるマッケイン・フーズのサプライチェーンや世界的な流通網を活用できるようになる。

一方、マッケイン・フーズは、急成長している冷凍代替肉分野に新たな足がかりを築き、サステナビリティー(持続可能性)を重視したブランドをポートフォリオに加えることになる。

米国の業界団体のまとめによると、植物由来食品の2020年の米国内売上高は前年比27%の伸びを記録した。

マッケイン・フーズはこれまでに、代替乳製品ブランドのシンプル・ルート(The Simple Root)、植物由来の代替チキンナゲットを手がけるシミュレート(Simulate)、屋内垂直農法企業のグッドリーフ・ファームズ(GoodLeaf Farms)などにも出資している。

マッケイン・フーズのマックス・クーン社長兼最高経営責任者(CEO)はストロング・ルーツへの出資について、「変化する消費者需要を持続可能なやり方で満たす、よりヘルシーな食品のポートフォリオを育てていくことに寄与する」と述べている。ストロング・ルーツは今年、環境や地域社会に配慮した事業を行う「Bコーポレーション」の認証を得ている。

ストロング・ルーツの創業者であるサミュエル・デニガンは、製造チェーンやサプライチェーンを活用できるだけでなく、研究開発面での相乗効果も期待できるマッケイン・フーズは投資パートナーとして「当然の選択」だったと説明。今回の提携は「ストロング・ルーツを世界的なハウスホールドブランド(一般家庭に浸透したブランド)にするという当社の最終的な目標を達成するのに役だつ」としている。

ストロング・ルーツは2015年に設立され、野菜を原材料にした冷凍のハンバーガーやスナック、サイドディッシュを販売している。2020年にはニューヨークのマンハッタンに米国事務所も開設している。

編集=江戸伸禎

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