ビデオ会議サービスの「ズーム」や家庭用フィットネス機器メーカーの「ペロトン」は、パンデミック時代の市場の寵児と言われ、2020年にはそれぞれ約400%の上昇を記録した。しかし、2021年に米国経済の再開が加速すると、これらのステイホーム銘柄の多くのは下落し、市場の他の株を大きく下回っている。
ペロトンとオンライン教育企業のCheggの株価は、ともに今年に入って約70%下落した。ワンクリックで家が買える不動産マーケットプレイスのZillowとバーチャルヘルスケア企業のTeladocらも50%以上の下落となり、ズームとスマートテレビのRokuは約40%下落している。
これらの企業の株価の下落は、投資家が他の銘柄に目を向け始めたことの結果でもあるが、パンデミックの恩恵を受けた企業の多くが、ここ最近、精彩を欠いた業績を発表している。
ペロトンは、2022年の売上予想を下方修正したことで、1日で35%も株価を急落させた。一方、オンライン教育企業のCheggは、学校の再開が進んだことで売上が減少し、株価が50%近く急落した。
一方で、今年に入り大きく上昇したのが航空会社やカジノオペレーター、ホテル、クルーズラインなどの旅行関連銘柄だ。その他の経済再開に直接関連する企業もここ最近、好調な業績をあげている。ウーバーが11月に発表した第3四半期決算は、EBITDAが800万ドルと、初の黒字を達成した。エアビーアンドビーも旅行需要の回復が続いていることから「過去最高の四半期」を記録した。
ただし、パンデミック時代の人気銘柄がすべて急落したわけではない。例えば、世界最大級のハンドメイドグッズのマーケットプレイスのEtsyの株価は、2020年に300%近く急上昇し、今年も12月3日時点で34%の上昇となっている。