フォーブスの推計で現在世界4位の富豪(保有資産は推定1380億ドル、約16兆円)であるゲイツは先ごろ、さまざまな分野に関する自らの見解を共有するためのサイト「ゲイツ・ノーツ(Gates Notes)」で、この1年を振り返った。
たいていは明るい調子のゲイツのブログだが、今回の長文の投稿は、やや沈んだトーンだ。2021年は、「私自身を含め、多くの人々にとって信じられないほど困難な年だった」と述べている。
また、できればこの1年間の仕事についてだけ書きたいとの思いを認めつつ、今年5月に発表した、27年連れ添った妻メリンダとの離婚には多くの人が関心を示しているとして、以下のとおり、離婚後の心情についても語っている。
「メリンダ(・フレンチ・ゲイツ)と私は、引き続き私たちの(ビル&メリンダゲイツ)財団を一緒に運営しており、それに関しては適切な、新しいリズムを作り上げています」
「ですが、今年が私個人にとって、大きな悲しみの年であったことは否定できません。変化に適応することは、それがどのようなものであれ、決して簡単なことではありません」
そのゲイツにとって、最大の変化の一つは、「人との対面での交流がないまま、長い時間を過ごすようになったこと」だという。長女のジェニファーは先ごろ、馬術競技の選手、ナエル・ナサルと結婚。
長男のローリーと次女のフィービーも、親元を離れている。ゲイツは自身について、「(子どもが巣立った後に取り残された親にみられる)空の巣症候群だ」と述べている。
高まる「政府への不信感」を懸念
いずれにしても、ゲイツにとって今年は、「大きな変化」の年だった。だが、彼の頭の中にあるのは、そのことだけではない。新型コロナウイルスのパンデミックが及ぼす長期的な影響について長い時間、考え続けているという。