WSJが主催するCEOサミットに出席したマスクは、この法案が通過しないことを望むと述べた。政府はすべての補助金を廃止すべきであり、「邪魔をせず、進歩を妨げないようにすべきだ」と彼は述べた。
11月19日に下院で可決されたバイデン政権の1兆8000億ドルの社会支出・気候変動対策法案は、米国内の労働組合を持つ自動車メーカーが製造したEVを購入すると、消費者に最大1万2500ドルの税控除を行う制度を盛り込んでいる。しかし、テスラのように労働組合を持たないメーカーが製造したEVの税控除額は、かなり低く抑えられる。
マスクは、この法案で提案されている、米国のEV充電ステーションのネットワーク拡大のための75億ドルの支出についても、「不要だ」と述べた。この法案は今後、上院で審議される。
マスクは9月にこの法案を非難し、「メキシコでEVを作っているフォードと労組のロビイストたちが書いたものだ」とツイートした。フォードやGM、クライスラーなどの組合を持つ米国の自動車メーカーが製造するEVには、すべてのEVに適用される8000ドルの税控除に加えて、4500ドルの税制優遇措置が追加されることになり、テスラのような企業は不利な立場に置かれることになる。
マスクは以前から労働組合に反対しており、テスラの米国内の従業員は労働組合に加入していない。彼が反対するEVの補助金案は、バイデン政権が「よりよき再建法案(Build Back Better Act)」に盛り込んだ政策の一つで、他には、再生可能エネルギーの推進や国民皆保険制度、有給家族休暇、育児手当など、民主党の主要な政策が多数含まれている。
民主党は、マスクのような億万長者や大企業への課税を強化することで、この改革の費用を捻出したい考えだ。
インタビューの中で、マスクは、民主党の「ビリオネア税」を再び批判し、このように述べた。「資本配分の仕事を、優れたスキルを持つ人々から取り上げて、スキルが非常に低い集団、つまり政府に与えるのは意味がない」