暗号通貨取引所のFTXと契約を結び、「グローバルアンバサダー」に就任すると、17日(日本時間)に同社が発表したのだ。
アンバサダーにはこれまで、スーパーボウルを7度制覇し「アメリカ史上もっとも偉大なアスリート」と呼ばれるトム・ブレイディ、バスケットボールに「スリーポイント革命」を巻き起こし3度のチャンピオンに輝いたNBAのスーパースター、ステフィン・カリーが務めてきた。
米スポーツ界のスターに、大谷が名を連ねることになる。
FTXは、暗号通貨業界に、これまでにない商品を生み出すなど革新的な取引業者だが、スポーツ界への参入も積極的だ。
例えば、メジャーリーグの公式スポンサーとして、MLB審判のユニフォームにはFTXロゴが記されている。
また、NBAマイアミ・ヒートのアリーナ、カリフォルニア大学バークレー校のスタジアムの命名権を取得も取得。それぞれを「FTXアリーナ」、「FTXフィールド」とし、スポンサー料を暗号通貨で支払っている。
さらにeスポーツ業界では、人気クラブTeam Solo Midの命名権も握り、チームはTSM FTXと名乗る。
CNNのレポートによると、FTXは大谷を「世界的アイコン」と評価しているという。グローバルアンバサダーとして白羽の矢を立てたとされ、アンバサダー料は暗号通貨で支払われるとともに、大谷は株式も取得するとのこと。
アンバサダーを務めると同時に暗号通貨の所有者となり、その取引所の株主となることも意味する。
「暗号通貨界の天才」と称されるFTXのサム・バンクマン・フリードCEOは「(同社の)ユーザー数は伸びているが、企業認知度の観点では遅れを取っている」との認識を持ち、投資家や個人が暗号通貨に手を付けようとする際、FTXを選択してもらうための戦略として捉えているようだ。
同CEOは専門メディア「Decrypt」に対し、こうしたアスリートの投資によりユーザー数が増加しているという確固たるデータはないとしながらも、ブランド認知について有効であるという裏付けがあると語っている。
大谷は今季、打者として46本塁打、100打点、103得点、26盗塁でキャリアハイを達成。投手としても、23試合に先発しチームトップの9勝を挙げ、防御率3.18と安定した投球を披露。日本のみならず、文字通り全米的なスタートなった。
シーズンオフには「コミッショナー特別表彰」を含め8冠のタイトルを受賞し、19日に発表されるMVPの最有力候補にも挙がっている。