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2021.11.17 06:30

米国の業界別ワクチン接種率、トップは金融サービス 最下位は?

Sandy Huffaker/Getty Images

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米国では、仕事のために新型コロナウイルスのワクチン接種を義務付けられる人が増加している。そうした中、ワクチン接種に対する労働者の考え方には、業界による違いも大きいことが明らかになっている。
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米調査会社モーニング・コンサルトが成人を対象に11月上旬に実施、4万8018人から回答を得た調査では、次のような結果が示された(この時点での米国の接種率は67%)。

・ワクチン接種率が最も高いのは、78%がすでに接種を受け、さらに6%が接種を予定している金融サービス業だった

・次いで接種率が高かった業界は、保険(76%)、テクノロジー(74%)、専門・ビジネスサービス(74%)、レジャー・ホスピタリティ(71%)、不動産(71%)
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・ワクチン接種が義務付けられている医療従事者は、接種した人が70%、接種予定の人が5%だった。決めていない人は10%、接種を希望しない人は15%となっている

・出版、エンターテインメント、メディア関連は67%が接種を受けており、14%が接種の予定。実際にこれらの人たちが接種を済ませれば、業界別の接種率でトップになる

・接種した人の割合が最も少なかったのは、農業(49%)。次いで建設業(55%)、飲食業(61%)となっている。小売業と製造業、輸送業はいずれも64%だった

・ワクチン接種に反対する人の割合が最も大きかったのも農業従事者で、26%が「接種を受けたくない」と回答した。同じように答えた人の割合は、建設業が24%、製造業が21%だった。小売業、輸送業は同じ19%となった

・ワクチン接種に反対する人が最も少なかったのは、テクノロジー業界。「受けたくない」という人は、わずか9%だった

そのほかこの調査では、共和党支持者と若年層(18~34歳)にワクチン接種に反対に人が多いことも示されており、それぞれ26%、24%が「接種を希望しない」と回答している。

一部企業の従業員には来年から義務化


米国では新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されて以来、「忌避」が大きな問題になってきた。そのため政府当局や雇用主たちの一部は、より多くの人に接種を促すため、義務化を決定した。

米連邦政府は、公的医療保険のメディケア(高齢者や身体障害者向け)、メディケイド(低所得層向け)制度に加入している医療機関やその他の関連機関で働くすべての人に対し、来年1月4日までにワクチン接種を完了させておくことを義務づけている。

また、従業員が100人以上のすべての企業に対しても、同日までの従業員のワクチン接種の完了か、週1回の検査の義務化を指示している。すでに個別に接種を義務化した企業や政府機関の多くでは、規則に従う人の高い割合が高いことが報告されており、義務化には接種を促す効果があることが示されている。

だが、こうした規則には反対意見も多く、複数の州が連邦政府を提訴。一部については裁判所がすでに、発効の一時差し止めを命じている。反対する人たちによる抗議活動や訴訟も各地で起きている。そのほか、州政府が連邦政府の指示に従わない決断を下した例もある。

編集=木内涼子

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