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2021.12.12

「ありのままの自分」で起業に成功 元インフルエンサーの転換点

Artie Medvedev / Shutterstock.com


そんななか、友人がある話を持ちかけてきた。彼女は、ナノサイズのコンデンサーという特許技術の開発者の下で働いていた。
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彼らのそもそもの目的は、軍事用の強力なアンテナの開発だった。安定性と耐久性があり、頑丈でありながら軽量で、外部の動力源がなくても機能するアンテナだ。そうしてたどり着いたのが、兵士が肩に貼り付けられるくらい小さく軽いパッチ型だった。ナノテクノロジーはもともと汎用なので、他の製品や装置にも応用が利く。

ホルマンの友人は、生理痛を緩和できるパッチはどうかと提案した。そこでホルマンは、自分のインスタグラムコミュニティに向けてライブ配信を行い、そうしたパッチについて反応を探ることにした。コミュニティの女性たちがパッチの仕組みをリアルタイムで視聴するなかで、ホルマンは「これだ!」と気がついた。

ホルマンはやっていたことを何もかも投げ出すと、幼なじみの親友、ならびにnCAPという技術の開発者らとともに、生理中の痛みを緩和できるパッチの製造販売企業を立ち上げた。パッチの色や製品のネーミングについては、インスタグラムコミュニティの女性たちに投票やアンケートを行なって決定した。ホルマンたちは6万ドルの資金で起業し、ものの4時間で1万5000個のパッチを売り上げた。



キャリアの方向転換を繰り返し、今はJoviの拡大に取り組むホルマンは、次のような点をつねに心がけている。

・方向転換について考えすぎないこと。行動を起こすまで時間をかけすぎると、チャンスを逃してしまう可能性がある。

・混乱や窮地を受け入れること。必ずしもつねに完璧で華やかではいられないし、それでかまわない。いいときもあれば悪いときもあると覚悟を決め、ひたすら前進していくこと。

・自分自身に対して忍耐強くあること。自分の今の行動には理由がある。いつもの日常や習慣に、つい戻りたくなってしまうし、自分に疑問を抱くこともある。自分に猶予を与えよう。そして、原点に立ち返り、そもそもの理由を思いだそう。

「10万人のコミュニティという、言ってみれば公の場で、本当の自分とは何なのかを探し出すのは気恥ずかしいものでした」とホルマンは振り返る。

「山あり谷ありでしたが、とても有意義な道のりでした。私は、すべてを包み隠さず見せました。スナック菓子が床にぶちまけられるのはこれで400回目だと言って、泣き崩れる自分をさらけ出したんです。コミュニティのみんなはそれをすべて見守ってくれました。とても特別な場です。私は、コミュニティこそが、何よりも大事な財産であることを学びました。私はコミュニティに救われたんです」

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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