ジョナスは先週末の顧客向けリポートで、2030年にはフェラーリの販売台数の3割超をEVが占めるようになると予想。フェラーリがEV市場で強力なプレイヤーになりうる理由として(1)投資資本を利用できること(2)受注残が2年分と過去最高になっていること(3)高級車市場で価格決定力があること──を挙げた。
モルガン・スタンレーはフェラーリについて、2030年までの設備投資額130億ドル(約1兆5000億円)の大半をEV開発関連に充てるともみている。フェラーリのEV車は2024年までにお披露目され、価格は40万ドル(約4500万円)近くになるとジョナスは予想する。
昨年申請された特許によると、フェラーリは4つのモーターが各車輪を駆動する2シーターのEVを開発しているもよう。同様のパワートレインは英ロータスや中国の上海蔚来汽車(NIO)のEVでも採用されている。
フェラーリのEV進出計画に対しては懐疑的な見方もある。ゴールドマン・サックスのアナリストらは今年6月、フェラーリはEV投入によって2030年までのコストが8億ドル(約910億円)以上かさむと試算し、将来の設備投資面で不安材料になると述べている。
ジョナスは、フェラーリの1年間の目標株価を1日の終値(244ドル)より9%ほど高い265ドルに設定した。年初来の上昇率はS&P500種株価指数の25%に対してフェラーリ株は7%となっている。
フェラーリは2015年にニューヨーク証券取引所に上場した。