また、富士山を眺めながらの貴重な体験といえば、自然の中に用意されたトレーラーサウナカーでのサウナがある。
自身で薪を割り、自らの手で薪を火にくべながら、1時間ほど時間をかけてサウナがあたたまるの待つ。それは、全てが整えられたサウナで簡易に得られる至極の時間以上に、味わい深い。サウナをでたら、水風呂に。また冷えた体をサウナであたため、今度は庭に設置された椅子で休む。それは、まるでサウナの本場フィンランドで、日常を忘れて大自然の中に溶け込みながら自身を整える。そんなサウナ浴を想起させる体験だ。
特徴その3:「食事」
非日常を味わう上で、食事は重要な要素だ。先述したとおり、ここは完全プライベートホテル。つまり、食事も人の手を介さず、自身たちで好きな時間に楽しむことができる。
素材は冷蔵庫に下準備が終えた状態で用意されており、最後の工程の焼いたり、煮たりするだけでよい。手順も丁寧に記されているので、料理が苦手な人も心配いらない。また、30種類以上のスパイスも用意されており、自身の好みに合わせて味付けができる。
特徴その4:「サプライズ」
ノーストレス、自然、食事...。非日常を代表するジャーニーに必要な要素である。そして、今回の旅でもうひとつ、大切なスパイス的要素を見出した。それが「サプライズ」だ。
独り占めできる大自然と、モダンなホテル空間。そして何よりも圧巻の富士山の絶景。どれも想像を超える体験価値で、この強いインパクトは人の心に深く突き刺さるだろう。
もうひとつ。実は、このプライベートホテル、都内自宅までの送迎サービスがあるということで、使わせていただいた。アルファードのハイヤーが、自分たちだけの空間を提供してくれ、リラックスしながらの、都内〜山梨までの1時間半の旅。これをサプライズと呼ばずして何と言うか。これなら会社帰りに何も持たずにふらりと出かけることができるだろう。
冒頭にアリストテレスの言葉を用いたので、最後に、再び同じ哲人の言葉を。「Happiness depends upon ourselves(幸福とは私たち次第である)」
いまや世の中には自身にエネルギーをチャージしてくれる沢山のモノやコト、サービスにあふれている。ただ、もしかすると潤沢にあるからこそ、見失っている大切なものがあるのかもしれない。そんなことを思い起こさせる旅であった。