「生産者のこだわりが正当に評価される世界へ」をビジョンに掲げ、一次産業の生産者が、個人に直接商品を販売できる産直通販サイト「食べチョク」を提供しているビビッドガーデン。累計資金調達額は8億円を超え、テレビ東京「日経スペシャル カンブリア宮殿」にも取り上げられた。同社の代表取締役社長の秋元里奈氏に、起業家の素養や事業成長の秘訣などについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた(全3話中2話)
第1話:プラットフォーム事業の「バランス」の作り方|食べチョク 秋元里奈 #1
──直近では秋元さんのメディア露出なども含めて、非常にブランディングに成功されている印象です。なにか意識されていることはありますか?誰に、何を、どうやって届けるか。当たり前のことなのですが、意外とこれをやりきれている会社は少ないです。この基本を徹底的に行うことに尽きるのではないかと思っています。
特にPRに関して大切にしていることを2つ挙げると、1つめは社長である私自身がアンテナ役として貢献することです。
特に創業初期の段階では世間の大きな流れやトレンドは社長に情報が集まるため、アンテナ役はトップがやるべきです。
2つめは、広報担当が常に会社内のすべての施策に対して目を張り巡らせることです。施策運営をしている当人たちにとってはあまり新規性のないような見える取り組みでも、切り口を変えるだけで社会的・広報的バリューを出せる場合があります。
施策を実施することに手を一杯にするのではなく、社外に対して伝えるところまでを一気通貫でコミュニケーションできる体制を整えること。よく耳にすることですが、これを徹底することでPRの効果は大きく変わってくると思います。
──コミュニティづくりにも非常に積極的な印象です。大切にしていることがあればお聞かせください。数字上のKPIを直接的に追うというより、私たちの実現したい世界観をゆっくり伝播させたいと思って実施しています。
例えば「一次産業みらいラボ」というオンラインコミュニティや、Clubhouseを使って毎日生産者さんと話をする「農家漁師の井戸端会議 #食べチョクハウス」という取り組みをやっています。
それらの活動の根幹にあるのは「生産者さんと消費者さんの距離を近くすることが生活を豊かにする」という食べチョクの世界観です。